共分散分析は、Xが共変量となっている状況で、Aの効果を調べるときに使われる分析です。この節では、共通の傾きをもつ共分散分析(Xの効果がAの水準で変化しないと仮定したモデル)を説明します。
入力する効果: A、X
1. 「列の選択」リストで、1つの名義尺度または順序尺度の効果A、および1つの連続尺度の効果Xを選択します。
2. [追加]をクリックします。
図2.14は、「Cleansing.jmp」サンプルデータに対する共分散分析です。どの「ポリマー」が浄化槽の「石炭の粒子」を一番よく除去するかに興味があります。ただし、石炭粒子が除去される程度には、浄化槽の「pH」も影響しています。図は、あてはめられた共分散分析モデルを示しています。ここでは、「pH」を説明変数とした回帰直線の傾きは、「ポリマー」の全水準で等しいと仮定しています。
図2.14のグラフは次の手順により作成できます。「モデルのあてはめ」ウィンドウで、「石炭の粒子」を[Y]に指定し、「pH」と「ポリマー」を「モデル効果の構成」ボックスに追加し、[実行]をクリックします。この操作により、「最小2乗法によるあてはめ」レポートに回帰プロットが表示されます。ポリマーの種類ごとに点の色を変えるには、[行]>[列の値による色/マーカー分け]を選択し、「列の値によるマーカー分け」のリストから「ポリマー」を選択して[OK]をクリックします。
ここでは説明のために共通の傾きをもつモデルを想定しましたが、実際には、「pH」と「ポリマー」が「石炭の粒子」に与える影響には交互作用があります。より適切なモデルは、この後の共分散分析(傾きが異なる場合)で説明しています。
図2.14 傾きが等しい共分散分析