棒グラフによって、カテゴリカル変数の分布を視覚化できます。棒グラフはヒストグラムに似ています。両者とも、変数の水準ごとに棒を描きます。ただし、棒グラフは変数の水準ごとに棒を描くのに対して、ヒストグラムは特定の範囲ごとに棒を描きます。
図4.6 棒グラフの例
この例では、会社情報のサンプルデータ「Companies.jmp」を使用します。このデータには、数社の企業に関して、会社規模とタイプの情報が含まれています。
証券アナリストは、次の点を調査する必要があります。
• どの企業タイプが最も一般的か
• どのくらいの規模の企業が一番多いか
回答を導き出すには、「タイプ」と「会社規模」の棒グラフを使用します。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Companies.jmp」を開きます。
2. [分析]>[一変量の分布]を選択します。
3. 「タイプ」と「会社規模」を選択し、[Y, 列]をクリックします。
4. [OK]をクリックします。
図4.7 「タイプ」と「会社規模」の棒グラフ
この棒グラフから、次のことがわかります。
• 製薬会社よりもコンピュータ関連企業の方が多い。
製薬会社(「Pharmaceutical」)の棒よりも、コンピュータ関連企業(「Computer」)の棒のほうが長くなっています。
• 小規模企業が多い。
小規模(「small」)の棒が、中規模(「medium」)もしくは大規模(「big」)の棒よりも長くなっています。
一緒に出力されている要約のレポートを見ると、詳細な度数がわかります。このレポートについては、カテゴリカル変数の分布で説明します。
ヒストグラムの場合と同様に、個々の棒をクリックすると、データテーブル内で該当する行が強調表示されます。複数のグラフが作成された場合、1つの棒グラフで棒をクリックすると、他の棒グラフでも対応する個所が強調表示されます。
たとえば、製薬会社の会社規模の分布を確認しましょう。「タイプ」の棒グラフの「Pharmaceutical」棒をクリックすると、「会社規模」の棒グラフで製薬会社に相当する部分が強調表示されます。図4.8から、このデータ全体では小規模企業が多いものの、製薬会社の多くは中規模または大規模であることがわかります。
なお、データテーブルでも対応する行が選択されます。
図4.8 棒のクリック