サンプルデータの「Bladder Cancer.jmp」には、退役軍人局協力泌尿器研究グループ(Veterans Administration Cooperative Urological Research Group)が収集した癌性のぼうこう腫瘍の再発に関するデータが含まれています。Andrews and Herzberg(1985; table 45)を参照してください。表在性膀胱腫瘍を発症した患者が対象で、試験の開始前に腫瘍が取り除かれています。各患者は、プラシボ薬の投与、ピリドキシン(ビタミンB6)の投与、チオテパを使った定期的化学療法の3つの処置群に分類されます。次に行う腫瘍の再発分析では、病気の進行を調べ、3つの処置に差があるかどうかを調べます。
起動ダイアログボックスで図6.8に従って入力を行います。
図6.8 「ぼうこう癌」データを使った起動ダイアログボックス
図6.9は、3つの処置のMCDプロットです。
図6.9 「ぼうこう癌」のMCFプロット
MCF曲線を見ると、どれもほぼ直線になっています。時間が経過しても傾き(再発率)が一定であることは、病気が進行しても、症状が悪化したり改善したりはしないことを示唆しています。
処置によって差があるかどうかを調べるには、「再生モデルによる分析」の赤い三角ボタンをクリックし、[MCFの差のプロット]を選択します。
図6.10 MCFの差
異なる処置の間に統計的に有意な差があるかどうかは、差のプロットで信頼区間を調べるとわかります。0が信頼区間に入っていない年齢においては、処置間に有意な差があります。図6.10のグラフは、処置間に有意な差がないことを示しています。