3つの手法を比較するため、ここまでの例で見たとおり、[球の詰め込み]、[ラテン超方格法]、[一様]ボタンを使って計画を作成してみます。計画を作成すると、「計画の診断統計量」パネルに0~1に尺度化された因子に対する診断統計量が表示されます。最短距離は、各点とそれに最も近い点との距離です。この値は、0~1に尺度化された因子から計算されています。ディスクレパンシの値は、実験点と一様分布との差を積分したものです。
図21.16は、3つの手法で作成した実験数8の計画とその診断統計量です。ディスクレパンシが最も小さい(良い)のは一様計画で、最も大きい(悪い)のは球の詰め込みによる計画です。ラテン超方格法のディスクレパンシの値は、その間にありますが、最適値に近くなっています。ラテン超方格計画のMaxPro基準の値は、一様計画より小さくなります。
2点間の最短距離を見ると、球の詰め込みによる計画が最大(最良)であることがわかります。一様計画には、その半分ほどしか距離が離れていない点もあります。一様計画と比べると、ラテン超方格法における最短距離は、球の詰め込みに近くなっています。
点の拡散と一様性の両方において、ラテン超方格法による計画は、健全な妥協案であると言えるでしょう。
図21.16 3手法による実験数8の計画と診断統計量
もう1つ比較すべき点は、計画の生成にかかる時間です。最も時間がかかるのは、一様計画です。また、実験数を増やすと、計画の計算時間が大幅に長くなります。同等の問題を扱ったとき、どのSpace Filling計画でもカスタム計画のD-最適計画より計算に時間がかかります。