「計画のオプション」アウトラインでは、ブロックの構造、ブロックの数、追加の実験回数を指定することができます。決定的スクリーニング計画では、ブロック因子は主効果と直交しています。なお、ブロックサイズは必ずしも等しくはなりません。
このアウトラインには、次のオプションがあります。
ブロック因子なし
計画にブロック因子を含めません。これがデフォルトの設定です。
ブロック因子を追加(2乗項を推定するための中心点も追加)
「ブロックの数」テキストボックスで指定した数のブロックを追加します。このオプションを選択すると、主効果と直交しているブロック因子を含み、かつ、すべての主効果と2乗効果から成るモデルが推定可能である計画が作成されます。ブロック因子を追加(2乗項を推定するための中心点も追加)を参照してください。
ブロック因子を追加(中心点は追加しない)
「ブロックの数」テキストボックスで指定した数のブロックを追加します。このオプションを選択した場合、計画の構造から必要とされる最低限の中心点しか追加されません。主効果と直交しているブロック因子を含み、かつ、すべての主効果と2乗効果から成るモデルが推定できない場合がある計画が作成されます。ブロック因子を追加(中心点は追加しない)を参照してください。
注: [ブロック因子を追加(中心点は追加しない)]は、すべてではなく、いくつかの2乗効果しか重要ではないと想定できる場合にのみ使用してください。
ブロックの数
追加するブロックの数を指定します。追加できるブロックの数は、2つ以上、因子数以下です。
追加の実験回数
元の決定的スクリーニング計画に対して、中心点以外の実験を追加します。このオプションにより実験を追加した計画のデータには、モデル選択の方法として効果的モデル選択(effective model selection)を適用することができます。追加の実験および決定的スクリーニング計画の効果的モデル選択を参照してください。
ヒント: 応答に影響している効果(有効な効果)が多数ある場合は、この方法で実験を追加することにより、それらの有効な効果に対する検出力が向上します。追加の実験回数としては4回を推奨しています。4回の実験を追加すると、2次効果の検出力が大幅に向上します。
計画の作成
「計画」アウトラインに生成された計画、「計画の評価」アウトラインに評価の情報を表示します。「出力オプション」パネルも開き、計画のデータテーブルを作成できるようになります。
ここでは、ブロックに関する次の2つのオプションについて説明します。
• ブロック因子を追加(2乗項を推定するための中心点も追加)
中心点とは、連続変数の因子がすべて中間値に設定された実験を指します。因子がすべてカテゴリカルである場合でも、ブロック因子に関する上記2つのオプションのいずれも選択できます。なお、2つのオプションのいずれも、主効果と直交しているブロック因子を含む計画を作成します。
注: 2乗項を推定するブロック計画の作成方法と性質については、Jones and Nachtsheim(2016)を参照してください。この論文では、ブロック因子を変量効果として扱うことについても言及しています。
[ブロック因子を追加(2乗項を推定するための中心点も追加)]オプションで作成される計画は、次のような性質を持ちます。
• ブロック因子が主効果と直交している。
• すべての主効果と2乗効果から成るモデルが推定可能である。
計画に連続変数の因子だけが含まれている場合、以上の性質を持つk因子のブロック計画は、次のように作成します。
• k因子の決定的スクリーニング計画から、中心点を削除します。
• カンファレンス行列において符号がちょうど逆になっているペアを、同じブロックに割り当てます。
• 各ブロックに中心点を1つずつ追加します。
なお、一部の因子がカテゴリカルである場合で、[ブロック因子を追加(2 乗項を推定するための中心点も追加)]オプションを選択したときには、(すべてのブロックにではなくて)いくつかのブロックだけに中心点をペアで追加します。この方法で作成された計画でも、その構造により、ブロック因子と主効果が直交しており、かつ、すべての主効果と2乗効果が推定可能となっています。
ブロック内に符号が逆になっているペアが含まれることが唯一の条件なので、ブロック数は、因子数kが偶数の場合は2~k、kが奇数の場合は2~k+1となります。カンファレンス行列と実験回数を参照してください。JMPはなるべくサイズの等しいブロックを作成しようとします。
[ブロック因子を追加(中心点は追加しない)]オプションは、因子がすべて連続尺度なら中心点が1つの計画を作成し、カテゴリカルの因子があるなら中心点が2つの計画を作成します。作成される計画は、次のような性質を持ちます。
• ブロック因子が主効果と直交している。
• いくつかのブロック効果が、2乗効果の線形結合と完全交絡する場合がある。つまり、すべての主効果と2乗効果から成るモデルは、推定不可能になる場合がある。
そのため、一部の2乗効果を無視できると想定できる場合のみ、このオプションを使用してください。
追加の中心点がないk因子のブロック計画は、次のように作成されます。
• カンファレンス行列において符号がちょうど逆になっているペアを、同じブロックに割り当てます。
• すべての因子が連続尺度の場合、1つの中心点をいずれか1つのブロックに割り当てます。
• ブロックなしの決定的スクリーニング計画では、カテゴリカルな因子がある場合、カンファレンス行列とその符号を変えたものから構成される計画に、2つの中心点を追加します。カンファレンス行列と実験回数を参照してください。この計画をもとに、中心点をさらに追加することなしにブロック因子を含む計画を作成する場合、これら既存の2つの中心点がいずれか1つのブロックに含められます。
ブロック内に符号が逆になっているペアが含まれることが唯一の条件なので、ブロック数は、因子数kが偶数の場合は2~k、kが奇数の場合は2~k+1となります。カンファレンス行列と実験回数を参照してください。JMPはなるべくサイズの等しいブロックを作成しようとします。