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公開日: 04/01/2021

同じ実験回数の計画

この例では、6因子を13回実験する2つの計画を比較します。1つは、中心点が1つ追加された実験回数12のPlackett-Burman計画です。もう1つは、決定的スクリーニング計画です。

主効果のみの比較

まず、推定対象のモデルに主効果だけが含まれているという仮定の下で、2つの計画を比較します。

1. [ヘルプ]>[サンプルデータ]を選択し、[サンプルスクリプトディレクトリを開く]をクリックし、「Compare Same Run Size.jsl」を開きます。

2. スクリプトウィンドウ内で右クリックし、[スクリプトの実行]を選択します。

決定的スクリーニング計画とPlackett-Burman計画という、実験回数13の計画テーブルが2つ作成されます。これら2つの計画を比較しましょう。「Plackett-Burman計画」を基準の計画として、「決定的スクリーニング計画」と比較します。「Plackett-Burman計画」テーブルをアクティブにしてください。

3. 「Plackett-Burman計画」データテーブルで、[実験計画(DOE)]>[計画の診断]>[計画の比較]を選択します。

4. 「「Plackett-Burman計画」と比較する計画」のリストから、[決定的スクリーニング計画]を選択します。

5. 「Plackett-Burman計画」パネルと「決定的スクリーニング計画」パネルで「X1」から「X6」までを選択します。

6. [対応する列]を開き、[対応]をクリックします。

図16.2 対応する列を指定した起動ウィンドウ 

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これで、2つの計画の因子間の対応関係を指定できました。

7. [OK]をクリックします。

この例での基準の計画は、Plackett-Burman計画です。「計画の評価」アウトラインでは、この基準となっているPlackett-Burman計画が決定的スクリーニング計画と比較されています。2つの計画の検出力・予測分散・推定効率・交絡・効率性が比較されています。

図16.3 Plackett-Burman計画と決定的スクリーニング計画における検出力分析の比較 

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主効果だけを確認する実験では、検出力・予測分散・推定効率において、Plackett-Burman計画の方が決定的スクリーニング計画より優れています。図16.3は、有意水準、RMSEの予想値、および係数の予想値をデフォルト値で設定したときの「検出力分析」レポートです。主効果だけの実験においては、Plackett-Burman計画は、決定的スクリーニング計画より検出力が高いことがわかります。

図16.4 Plackett-Burman計画と決定的スクリーニング計画における計画領域率プロットの比較 

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計画領域率プロットでは、Plackett-Burman計画は、計画領域全体において決定的スクリーニング計画より予測分散が小さいことがわかります。

つまり、主効果だけが応答に影響していると想定できる場合には、Plackett-Burman計画の方が望ましいです。

2因子間交互作用の比較

次に、主効果のほかにもいくつかの2因子間交互作用が応答に影響していると想定します。次の分析を見ると、2因子間交互作用が存在している場合には、決定的スクリーニング計画の方がPlackett-Burman計画より望ましいことがわかります。

1. 「相関係数の絶対値」レポートで、「相関のカラーマップ」レポートとその下のカラーマップレポートを開きます。

図16.5 Plackett-Burman計画と決定的スクリーニング計画におけるカラーマップの比較 

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「相関のカラーマップ」プロットを見ると、Plackett-Burman計画で、2因子間交互作用と主効果が部分交絡していることがわかります。一方、決定的スクリーニング計画では、主効果と2因子間交互作用は直交しています。

いくつかの2因子間交互作用が応答に影響している状況で計画を比較するために、「モデル」に2因子間交互作用を追加しましょう。

2. 「因子」アウトラインで、「X1」から「X3」までを選択します。

3. 「モデル」パネルで[交互作用]>[2次]を選択します。

図16.6 交互作用がある場合のPlackett-Burman計画と決定的スクリーニング計画における検出力分析の比較 

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「項」リストに、2因子間交互作用が表示されます。いくつかの2因子間交互作用が応答に影響している場合、Plackett-Burman計画よりも決定的スクリーニング計画の方がそれらに対する検出力が高いことがわかります。

図16.7 交互作用がある場合のPlackett-Burman計画と決定的スクリーニング計画における予測分散の比較 

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この例のようにいくつかの交互作用項を含むモデルの場合には、Plackett-Burman計画より決定的スクリーニング計画の方が予測分散でも優れています。他のレポートでも、交互作用がある場合には、決定的スクリーニング計画の方が望ましいことを確認できます。

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