モデル全体の自由度は、パラメータのなかで推定可能なものの個数です。一方、「効果の検定」レポートの検定では、該当する効果を除いたモデルの平方和と、すべての効果を加えたモデルとの平方和を比較したものになっています。
• モデル全体の自由度が該当する効果を除いても変化しない場合、その効果の自由度は0になります。自由度が0の場合、平方和も常に0となります。そのため、その効果は検定できません。
• モデル全体の自由度が該当する効果を除くと減少する場合、その効果の自由度は1以上になっています。ただし、効果の自由度は、その効果のパラメータの個数よりも小さい場合があります。これは、パラメータのうちの一部だけが検定可能であることを意味しています。
効果の自由度が1以上であれば(かつ、誤差の自由度も1以上であれば)、F検定が実行されます。効果の自由度がパラメータ数よりも小さい場合は、その効果には「足りない自由度」とラベルが表示されます(図3.65)。この時の検定は、交絡していない部分の平方和だけに基づいています。そのため、こうして計算された平方和は、平方和の「真の」大きさを過小評価しているかもしれません。検定が有意であれば、その有意性には意味がありますが、有意でなければ、特に注意して検定結果を解釈するべきです。
統計的詳細については、SAS Institute Inc.(2018c)の「Introduction to Statistical Modeling with SAS/STAT Software」章にある「Statistical Background」を参照してください。