40個の試験ユニットに対して、ストレスの条件を時間とともに変化させるステップストレス試験が行われました。この試験の目的は、0.75のストレスを与えたときに10,000分後にどれだけのユニットが故障するのか、その累積故障確率を予測することです。これらのデータテーブルは、Nelson(2004, ch. 10)のデータを参考にして作成しています。
「Reliability」フォルダにある「CD Step Stress Pattern.jmp」データテーブルには「パターンID」という列があり、ストレスに関して4つのパターンが用意されています。ストレスは、「電圧」÷「厚み」(厚みあたりの電圧)です(データテーブルにおいて、「電圧」と「厚み」は非表示になっています)。各ストレスパターン内において、「厚み」は一定ですが、「電圧」は変化させており、時間とともに増加させています。
「Reliability」フォルダ内の「CD Step Stress.jmp」データテーブルには、故障までの時間のデータが含まれています。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Reliability」フォルダにある「CD Step Stress.jmp」と「CD Step Stress Pattern.jmp」を開きます。
「CD Step Stress.jmp」データテーブルには故障時間のデータが含まれています。
– 「時間」列は故障時間もしくは打ち切った時間を示す。
– 「パターンID」列はストレスパターンを示す。
– 「打ち切りの有無」列は、観測された時間が、正確な故障時間か、打ち切ったときの時間なのかを示す。
データテーブルの各行は1つの試験ユニットに対応しています。
「CD Step Stress Pattern」テーブルには、ストレスに関して4 つのパターン(1 ~ 4)が含まれています。「ストレス」の値は、「パターンID」列の値ごとに違うパターンになっています。「ストレスの期間」列の数値は、ストレス因子の水準を同水準に保っている期間を示しています。
2. [分析]>[信頼性/生存時間分析]>[累積損傷]を選択します。
起動ウィンドウには、故障時間のデータ(「イベントまでの時間」)とストレスパターンのデータ(「ストレスパターン」)の2つのパネルがあります。
3. 「イベントまでの時間」パネルの[テーブルの選択]をクリックします。
故障時間データのデータテーブルを指定するための「「イベントまでの時間」データテーブル」ウィンドウが表示されます。
4. 「CD Step Stress」を選択して[OK]をクリックします。
「イベントまでの時間」パネルの「列の選択」リストにこのデータテーブル内の列が一覧されます。
5. 「時間」を[イベントまでの時間]に指定します。
6. 「打ち切りの有無」を選択し、[打ち切り]に指定します。
7. 「パターンID」を[パターンID]に指定します。
8. 「ストレスパターン」パネルの[テーブルの選択]をクリックします。
9. 「CD Step Stress Pattern」を選択して[OK]をクリックします。
「ストレスパターン」パネルの「列の選択」リストにこのデータテーブル内の列が一覧されます。
10. 「ストレスの期間」を[ストレスの期間]に指定します。
11. 「ストレス」を[ストレス]に指定します。
12. 「パターンID」を[パターンID]に指定します。
13. [OK]をクリックします。
図5.2 イベントとストレスパターン
レポートに、イベントプロットと、定義されたストレスパターンを描いたプロットが表示されます。4つのストレスパターンのいずれでも最初の40分でストレスを急激に増加させ、そして、40分後にはそれぞれ異なる速さで増加させています。
14. 「累積損傷」の赤い三角ボタンをクリックし、[すべてをあてはめ]を選択します。
図5.3 「モデルリスト」レポート
「モデルリスト」レポートから、AICcおよびBICが最小である分布は指数分布であることがわかります。
15. 「結果」レポートで、「指数」レポートまでスクロールします。
16. 「分布プロファイル」レポートで、「ストレス」の現在値を0.75に設定します。
17. 「時間」の現在値を10000に設定します。
図5.4 指定された設定における指数分布の分布プロファイル
図5.4を見ると、0.75のストレスを与え続けた場合、10000分後に試験ユニットが故障する確率は0.007233と予測されます。また、その95%の信頼区間は0.00137~0.03775であることがわかります。