どのメーカーの洗剤がよく売れているかを調べるため、市場調査が行われました。Ries and Smith(1963)を参照してください。調査の結果は、「Detergent.jmp」データテーブルにまとめられています。モデルは次の要素で定義されます。
• 応答変数の「ブランド」。値は「m」と「x」。
• 「柔らかさ」効果。値は「柔らかい」、「普通」、「硬い」。
• 「前回も使用」効果。値は「はい」と「いいえ」。
• 「温度」効果。値は「高」と「低」。
• 「度数」という列名の度数変数。カテゴリの組み合わせに対する度数を示します。
まず、次のようにして3因子の完全実施要因モデルを指定します。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Detergent.jmp」を開きます。
2. [分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。
3. 「列の選択」リストで「ブランド」を選択し、[Y]をクリックします。
名義尺度の応答変数を指定したため、「手法」が自動的に[名義ロジスティック]になります。
「ブランド」は、2水準の名義尺度の列であるため、[イベントを示す水準]オプションが表示されます。このオプションで、どの応答水準の確率をモデル化するかが指定できます。
4. 「度数」を選択し、[度数]をクリックします。
5. 「柔らかさ」から「温度」までを選択し、[マクロ]>[完全実施要因]をクリックします。
6. [実行]をクリックします。
図11.9 3因子の要因モデルの「名義ロジスティックのあてはめ」
「モデル全体の検定」レポートを見ると、3因子の完全実施要因モデルが全体として有意であることがわかります(「p値(Prob>ChiSq)」が0.0006)。
「効果の尤度比検定」レポートからは、「柔らかさ」を含む効果は、モデルの適合度に有意に寄与していないことがわかります。そのため、「柔らかさ」はモデルから削除してもかまわないと考えられます。効果の削除は、「効果の要約」レポートで次のように実行します。
7. 「効果の要約」レポートの「要因」列で、「柔らかさ*前回も使用」から「柔らかさ」までを選択し、[削除]をクリックします。
レポートが更新され、2因子の要因モデルになります(図11.10)。「モデル全体の検定」レポートは、2因子のモデルも全体として有意であることを示しています。
図11.10 2因子の要因モデルの「名義ロジスティックのあてはめ」
「前回も使用」と「温度」が洗剤の選択に対して効果を持つと結論できます。また、「温度」と「前回も使用」の交互作用は統計的に有意でなく、「温度」が「前回も使用」に依存するという証拠はありません。