因子分析に関するオプションは、「モデルの設定」コントロールパネルで指定します。[実行]ボタンをクリックすると、因子分析が実行されます。
図9.6 モデルの設定
因子分析の方法
因子分析モデルを推定する方法を選択します。
主軸
このオプションを選択すると、対角要素を「事前共通性」に置き換えた相関行列(または共分散行列)を固有値分解することにより因子分析モデルを推定します。この推定方法は、計算が簡単で計算時間が短くてすみます。なお、このオプションを選択した場合、仮説検定などは行えません。
最尤法
最尤推定により因子分析モデルを推定します。なお、共通因子の個数に関する検定や、モデル適合度の統計量も算出されます。
注: [最尤法]では、相関係数行列(や共分散行列)が正値定符号行列である必要があります。相関係数行列が正値定符号行列でない場合(いくつかの固有値が0以下の場合)でも、[主軸法]は利用できます。
事前共通性
それぞれの観測変数の分散に対して共通因子が寄与している割合を仮に推定する方法を指定します。
主成分分析(対角要素 = 1)
共通性をすべて1に設定します。これは、各変数の分散がすべての因子により100%、完全に説明されることを意味します。
ヒント: このオプションを選択し、かつ「因子分析の方法」として「主軸法」を選択した場合、主成分分析が実行されます。
共通因子分析(対角要素 = SMC)
共通性をSMC(Squared Multiple Correlaion; 重相関係数の2乗)とします。このオプションを選択し、かつ「因子分析の方法」として「主軸法」を選択した場合、反復なしの主因子法が実行されます。なお、SMCは、Xiを応答変数とし、その他のp‐1個の観測変数を説明変数としたときの重回帰モデルにおける重相関を2乗した値(決定係数)のことです。
因子数
分析から抽出する因子数を指定します。デフォルトは、1.0以上となっている固有値の個数です。因子数には、1以上で、観測変数の個数未満の自然数を自由に設定できます。
回転方法
回転方法を指定します。デフォルトはVarimax(バリマックス)です。利用できる回転方法についての説明は、回転方法を参照してください。