このオプションには、検出力の計算に用いる応答平均の差を指定します。検出力の計算は、「計画の評価」アウトラインにおける「検出力分析」アウトラインで行われます。デルタを指定すると、指定されたデルタに基づいて検出力が計算されます。カテゴリカルな効果の場合、計算される検出力は、平均差がデルタであるペアに対する検出力です。
たとえば、平均が3単位だけ異なっている差を検出したいとします。また、ここではすべての因子が連続変数であるとします。因子はコード化されているので(コード化された値の下限は-1、上限は1)、3単位の平均差は、係数では1.5に相当します。そのため、[検出力計算のデルタを設定]テキストボックスに3と入力した場合、「検出力分析」アウトラインの「係数の予想値」は1.5に設定されます。そして、この3単位の平均差に対する検出力が、各パラメータの右側の「検出力」列に表示されます。
デフォルトのデルタ値は2です。デルタのこのデフォルト値に対して、連続尺度の効果では、係数は1に設定されます。また、n水準のカテゴリカルな因子は、n–1個のダミー変数が作成されますが、これらのn–1個のダミー変数に対して、デフォルトでは、係数として1と-1が交互に割り当てられます。自由度が2以上の交互作用項の場合も、デフォルトでは、係数として1と-1が交互に割り当てられます。
注: 「検出力分析」レポートのパラメータの表示順序は、標準最小2乗法で取得した「パラメータ推定値」レポートでの順序と異なる場合があります。表示順が異なるのは、自由度が2以上の交互作用項がモデルに含まれる場合だけです。
デルタを指定した場合、「係数の予想値」列の各係数は、「デルタ÷2×(デフォルトの係数)」に設定されます。連続尺度の因子では、因子の最小値と最大値における応答平均の差が指定されたデルタである場合の検出力が計算されます。カテゴリカルな因子では、ある2水準間の平均差がデルタである場合の、そのペアにおける検出力が計算されます。