「Devalt.jmp」サンプルデータは、加速寿命試験のデータです。通常の使用条件だと故障が非常に起こりにくい場合、通常の寿命試験のデータからは分布を推定するできません。そこで、加速寿命試験では、早く故障するようにユニットに通常より強めのストレスを与えます。ここでは、熱を与えています。
メモ: この「Devalt.jmp」サンプルデータは、Meeker and Escobar(1998, p. 493)から引用したものです。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Reliability」フォルダにある「Devalt.jmp」を開きます。
まず、「二変量の関係」プラットフォームを使い、「時間」を対数軸にして、「時間」と「温度」のプロットを作成します。
2. [分析]>[二変量の関係]を選択します。
3. 「時間」を選択し、[Y, 目的変数]をクリックします。
4. 「温度」を選択し、[X, 説明変数]をクリックします。
5. [OK]をクリックします。
図14.7 「温度と時間の二変量の関係」プロット
次に、生存時間分析を行い、温度の値ごとに対数正規プロットを作成します。
6. [分析]>[信頼性/生存時間分析]>[生存時間分析]を選択します。
7. 「時間」を[Y, イベントまでの時間]に指定します。
8. 「打ち切りの有無」を選択し、[打ち切り]に指定します。
9. 「温度」を[グループ変数]に指定します。
10. 「重み」を[度数]に指定します。
11. [OK]をクリックします。
12. 「Kaplan-Meier法によるあてはめ」の赤い三角ボタンをクリックし、[対数正規プロット]と[対数正規のあてはめ]を選択します。
13. [OK]をクリックします。
図14.8 対数正規プロット
次に、「生存時間(パラメトリック)のあてはめ」プラットフォームで、温度の効果を使ってモデルをあてはめます。
14. [分析]>[信頼性/生存時間分析]>[生存時間(パラメトリック)のあてはめ]を選択します。
15. 「時間」を[イベントまでの時間]に指定します。
16. 「x」を選択し、[追加]をクリックします。
17. 「打ち切りの有無」を選択し、[打ち切り]に指定します。
18. 「重み」を[度数]に指定します。
19. 「分布」を[対数正規]に変更します。
20. [実行]をクリックします。
図14.9 「Devalt」の生存時間のあてはめ(パラメトリック)レポート
回帰によるあてはめのレポートが表示されます。
– 効果が1つしかなく、それが連続尺度である場合、生存時間の分位点を効果の関数として表したプロットが作成され、生存率が0.1、0.5、0.9である分位点を示す線が表示されます。
– この例のように、効果の列にある計算式が別の列から成る場合、その列を考慮してプロットが作成されます。「Devalt」データの効果は「x」列ですが、「x」は「温度」の関数であるため、「温度」がプロットされます。
最後に、温度を10度にした場合の、30000時間と10000時間における生存率の推定値を計算します。
21. 「生存時間のあてはめ(パラメトリック)」の赤い三角ボタンをクリックし、[生存率の推定]を選択します。
22. 「生存率推定パネル」に図14.10のように値を入力します。
「x」に「40.9853」(温度10に相当)を、「時間」に「30000」および「10000」を代入します。
図14.10 生存率の推定
23. [実行]をクリックします。
図14.11 生存率
「生存率の推定値」レポートには、推定値と信頼区間が表示されます。