[各ペアのステップワイズ,Newman-Keuls検定]は、反復的なステップワイズ手順により標本平均を比較します。各反復では、2群の平均の差に対してTukeyのHSD検定を行います。この検定の例については、[各ペアのステップワイズ,Newman-Keuls検定]の例を参照してください。
注意: Newman-Keuls検定では、検定全体における過誤率(family-wise error rate)が守られていません。結果の解釈には注意が必要です。
J個の群における平均を以下のように検定します。
次のように定義します。
J = 群数(群の平均で昇順に並べたもの)
N = 標本サイズ
d = 自由度(N - J)
i = 比較対象の群平均のうち、最小平均の群番号
j = 比較対象の群平均のうち、最大平均の群番号
k = 各比較におけるjの最小値
処理の開始時に、i = 1, j = J, k = 2と設定します。
1. 群iとjに対して、TukeyのHSD検定を行います。ここで、適切な分位点を見つける群数は、j - i + 1です。
– この検定の結果が有意である場合は、群iとjに有意な差があると判断します。jの値を1減らします。
そして、jがkより小さい場合は、iの値を1増やし、k = max(i, j) + 1, j = Jと設定して、ステップ2に進みます。
また、jがk以上である場合は、ステップ2に進みます。
– この検定の結果が有意でない場合は、iとjに有意な差があるとは判断しません。iの値を1増やし、k = j + 1, j = Jと設定し、ステップ2に進みます。
2. kの値に基づいて、処理を続行するか、または終了するかを判定します。
– kがiより大きく、J以下である場合は、ステップ1を繰り返します。
– kがi以下か、またはJより大きい場合は、処理を終了します。まだ検定していない範囲はすべて、有意な差がないとみなされます。
各ステップにおいて実行されるTukeyのHSD検定の分位点は、そのステップでの並び替え済みの群平均の個数に基づいており、ステップごとに異なります。Newman-Keuls検定のレポートの「最小q*」(検定に使われた最小の分位点)は、上記の手順で使用した、スチューデント化された範囲の最小分位点を、2の平方根で割った値です。
検定の結果は、「文字の接続レポート」に示されます。
Newman-Keuls検定の詳細については、Howell(2013)を参照してください。
メモ: [各ペアのステップワイズ,Newman-Keuls検定]オプションでは、比較円は表示されません。これは、検定対象の範囲にある平均の個数によって、検定に用いる分位点が異なり、ステップごとに比較円も異なる大きさになるためです。