許容差設計(tolerance design)とは、入力のばらつき(変動)を制御することにより、不適合率をどれだけ制御できるかを調べることです。
許容差設計においては、入力となる因子にばらつきがあると仮定されます。許容差設計においては、各因子はばらつくと仮定され、また許容範囲が仕様限界によって定義されます。その因子(入力)におけるばらつきは応答(出力)に影響します。応答に対しても、仕様限界が指定されています。
許容差設計の分析により、因子に対する仕様限界が厳しすぎることが分かることがあります。このような場合は因子(入力)に対する仕様限界を緩めることで、応答(出力)の品質を落とさずに製造コストを下げることができます。これは、許容差設計がコストの削減につながるケースです。
また、仕様限界をより厳しくするか、目標値を変更すれば、品質が向上することもあります。いずれのケースでも、因子(入力)におけるばらつきが不適合率にどのように影響を与えるかを知ることが重要です。
不適合率プロファイルは、それぞれの因子ごとに、因子の関数として不適合を表したグラフです。該当の1因子を特定の値に固定し、その他の因子は指定された確率分布に従っているときの不適合率を描いています。複数の応答変数があり、それに仕様限界が指定されている場合、各応答変数を異なる色で描いた不適合率曲線も描かれます。その場合、黒色の曲線が全体の不適合率を示しています。
図8.7 不適合率プロファイル