このオプションには、ノンパラメトリックな多重比較のいくつかの検定法が用意されています。これらは順位を用いた検定で、[ペアごと Wilcoxon検定]以外では多重比較の調整が行われます。これらの検定の詳細については、Dunn(1964)およびHsu(1996)を参照してください。レポートについては、ノンパラメトリックな多重比較の手順を参照してください。
ペアごと Wilcoxon検定
各ペアに対してWilcoxon検定を実行します。この方法では、多重比較の調整を行いません。これは、[平均の比較]メニューの[各ペア,Studentのt検定]オプションのノンパラメトリック版です。Wilcoxon検定、Steel-Dwass検定、Steel検定を参照してください。
すべてのペア Steel-Dwass検定
すべてのペアに対してSteel-Dwass検定を実行します。これは、[平均の比較]メニューの[すべてのペア,TukeyのHSD検定]オプションのノンパラメトリック版です。Wilcoxon検定、Steel-Dwass検定、Steel検定を参照してください。
コントロール群との比較 Steel検定
各水準をコントロール水準と比較します。これは、[平均の比較]メニューの[コントロール群との比較,Dunnett検定]オプションのノンパラメトリック版です。Wilcoxon検定、Steel-Dwass検定、Steel検定を参照してください。
すべてのペア 併合順位のDunn検定
[すべてのペア Steel-Dwass検定]オプションと同様に各ペアを比較しますが、このDunn検定では、比較対象のペアにおける順位でなく、すべてのデータを通じた順位が計算に使われます。表内のp値には、Bonferroniの調整が施されています。つまり、未調整のp値に比較の数を掛けたものです。調整済みp値が1を超えた場合は、1と表示されます。すべてのペア 併合順位のDunn検定、コントロール群との比較 併合順位のDunn検定を参照してください。
コントロール群との比較 併合順位のDunn検定
[コントロール群との比較 Steel検定]オプションと同様、各水準をコントロール水準と比較しますが、このDunn検定では、比較対象のペアにおける順位でなく、すべてのデータを通じた順位が計算に使われます。表内のp値には、Bonferroniの調整が施されています。つまり、未調整のp値に比較の数を掛けたものです。調整済みp値が1を超えた場合は、1と表示されます。すべてのペア 併合順位のDunn検定、コントロール群との比較 併合順位のDunn検定を参照してください。
これらの多重比較のレポートには、検定結果と信頼区間が表示されます。これらの検定では、データ値は比較対象となる2つの水準内での順位に変換されます。
q*
信頼区間の計算に使用される分位点。
Alpha
信頼区間の計算に使用されるα水準。信頼水準は、一元配置分析のメニューから[α水準の設定]を選択することによって変更できます。
水準
比較対象のペアのうち、1つ目の水準。
- 水準
比較対象のペアのうち、2つ目の水準。
スコア平均の差
1つ目の水準(「水準」)の順位スコアの平均から、2つ目の水準(「-水準」)の順位スコアの平均を引いた値(連続修正が適用されます)。
1つ目の水準の標本サイズをn1、2つ目の水準の標本サイズをn2とします。まずデータが、これら2水準内で順位付けされます。同順位の場合は、平均順位が使用されます。1つ目の水準の順位の合計をScoreSum1、2つ目の水準の順位の合計をScoreSum2とします。
平均スコアの差が正の数である場合、「スコア平均の差」は次の式で計算されます。
スコア平均の差 = (ScoreSum1 - 0.5)/n1 - (ScoreSum2 + 0.5)/n2
平均スコアの差が負の数である場合、「スコア平均の差」は次の式で計算されます。
スコア平均の差 = (ScoreSum1 + 0.5)/n1 - (ScoreSum2 - 0.5)/n2
差の標準誤差
スコア平均の差の標準誤差。
Z
標準化された検定統計量。平均に差がないという帰無仮説のもとで、漸近的に標準正規分布に従います。
p値
Zに基づく漸近検定のp値。
Hodges-Lehmann
位置の差に対するHodges-Lehmann推定値。1つ目の水準のデータ値と、2つ目の水準のデータ値のすべてのペアから計算された差の中央値です。「相違点のプロット」の棒グラフは、Hodges-Lehmann推定値の大きさを表します。
下側信頼限界
Hodges-Lehmann推定値の両側信頼区間の下限。
メモ: なお、標本サイズが大きすぎてメモリ不足となるだろう場合には、計算されません。
上側信頼限界
Hodges-Lehmann推定値の両側信頼区間の上限。
メモ: なお、標本サイズが大きすぎてメモリ不足となるだろう場合には、計算されません。
これらの比較は、すべての群のデータから求められた順位に基づいています。[コントロール群との比較 併合順位のDunn検定]では、コントロール群となる水準を選択する必要があります。
水準
比較対象のペアのうち、1つ目の水準。
- 水準
比較対象のペアのうち、2つ目の水準。
スコア平均の差
1つ目の水準(「水準」)の順位スコアの平均から、2つ目の水準(「-水準」)の順位スコアの平均を引いた値(連続修正が適用されます)。ここでの順位は、データセット全体における順位です。同順位の場合は、平均順位が使用されます。連続修正については、スコア平均の差を参照してください。
差の標準誤差
スコア平均の差の標準誤差。
Z
標準化された検定統計量。平均に差がないという帰無仮説のもとで、漸近的に標準正規分布に従います。
p値
Zに基づく漸近検定のp値。