公開日: 11/25/2021

応答のシミュレート

データを収集する前や授業などで計画を探索するときは、シミュレートした応答を使用すると便利です。[応答のシミュレート]オプションを選択すると、[テーブルの作成]をクリックして計画のデータテーブルを作成したときに、各応答変数について次の処理が行われます。

計画のデータテーブルにおける応答変数の列に、乱数が代入されます。

応答変数に対して乱数を生成する計算式が、計画のデータテーブルに新しい列として追加されます。このデータ値やこの計算式は、計画のウィンドウで指定したモデルに基づいています。

「モデル」ウィンドウが開き、モデルのパラメータ値と、応答の確率分布を指定できます。このウィンドウで[適用]をクリックすると、シミュレーションモデルの計算式の列が更新されます。

シミュレーションの設定ウィンドウ

図4.27は、連続尺度の因子が1つ(X1)、3水準のカテゴリカルな因子が1つ(X2)の計画の「モデル」ウィンドウです。X2は、モデルにおいて2つの項で表されていることに注意してください。

図4.27 [応答をシミュレート]の設定ウィンドウ 

Simulate Responses Control Window

デフォルトのウィンドウでは、係数は1または-1に設定されています。また、誤差は標準偏差が1である正規分布に設定されています。「実験計画(DOE)」ウィンドウの「計画の評価」の下にある「検出力分析」アウトラインの「係数の予想値」を設定した場合は、その値が「応答のシミュレート」アウトラインのデフォルト値になります。同様に、「RMSEの予想値」に指定した値が、誤差の標準偏差のデフォルト値になります。ただし、生成された計画からはデータテーブルの「モデル」スクリプトで指定されているモデルが推定できないような場合には、切片と係数のデフォルト値は0に設定されます。

応答のシミュレート

乱数データを生成するモデルを、次の手順で指定できます。

1. 応答値を生成するモデルの線形部分における係数を、「効果」の各項に入力します。これらの値に基づいて、線形関数L(x, β) = xβが定まります。図4.27の「応答をシミュレート」アウトラインを参照してください。

xは、「効果」にリストされている項(効果)から成るベクトルです。

βは、「Y」に指定されたモデル係数から成るベクトルです。

2. 「分布」で、応答変数の確率分布を選択します。

3. [適用]をクリックします。計画のデータテーブルにおいて、「<Y>のシミュレーション」という列の計算式が更新され、指定したモデルに基づいて乱数が生成されます。ここで、「<Y>」は応答変数の列名です。

分布

「応答をシミュレート」ウィンドウで、いずれかの分布を選択します。

正規

正規分布に従う乱数を生成します。「誤差σ」に、誤差の標準偏差を入力してください。「因子」アウトラインで「変更」を[困難]に指定した因子がある場合は、一次単位における誤差の標準偏差を「一次単位σ」に入力してください。同様に、[困難]と[非常に困難]を指定した因子がある場合は、一次単位の誤差および二次単位の誤差の両方に関して、その標準偏差を入力してください。[適用]をクリックすると、「<Y>のシミュレーション」という列の計算式が更新され、乱数が生成されます。この計算式は、指定されているモデルに基づいて乱数を生成するものです。

二項

二項分布に従う乱数を生成します。「N」に試行回数を入力してください。試行回数がN、成功確率が1/(1 + exp(-L(x, β))の二項分布に従う乱数が生成されます。[適用]をクリックすると、「<Y>のシミュレーション」という列の計算式が更新され、乱数が生成されます。また、「試行回数」という列が作成され、そこには「N」に指定した値が代入されます。

Poisson

平均パラメータがexp((L(x, β))であるPoisson分布の乱数を生成します。[適用]をクリックすると、「<Y>のシミュレーション」という列の計算式が更新され、乱数が生成されます。

メモ: [テーブルの作成]をクリックしたときに、常に応答をシミュレートするようにデフォルト設定を変更できます。そのためには、[ファイル]>[環境設定]>[プラットフォーム]>[実験計画(DOE)]を選択します。そして、[応答のシミュレート]を選択します。

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