「最小2乗法によるあてはめ」レポートの「分散分析」には、分散分析表が表示されます。分散分析表は、現在のモデルと切片だけのモデルとを比較した統計量で構成されています。
メモ: 「モデルのあてはめ」起動ウィンドウで[度数]または[重み]を入力した場合、「分散分析」レポートの統計量は、度数および重みでの説明のように計算されます。
「分散分析」レポートには、次のような列があります。
要因
変動の3つの要因(「モデル」、「誤差」、「全体(修正済み)」)。
自由度
変動の各要因に関連した自由度(DF; Degrees of Freedom)。全体(「全体(修正済み)」)の修正済み自由度は、標本サイズより常に1つ少なく、次の「モデル」と「誤差」の自由度に分割されます。
– 「モデル」の自由度は、モデルのあてはめで使用されるパラメータの数(ただし、切片パラメータは除く)に相当します。
– 「誤差」の自由度は、「全体(修正済み)」と「モデル」の自由度の差です。
平方和
変動の各要因に関連した平方和(SS; Sum of Squares)。
– 全体(「全体(修正済み)」)の平方和は、各応答値から平均までの距離を2乗して合計したものです。これは、応答値の全体変動を示します。
– 「誤差」の平方和は、予測値から実測値までの距離の平方和です。これは、あてはめたモデルでは説明のつかない変動を示します。
– 「モデル」の平方和は、「全体(修正済み)」の平方和と「誤差」の平方和の差です。これは、モデルで説明される変動を示します。
平均平方
「誤差」と「モデル」における平均平方。平均平方は、平方和をその自由度で割った値です。
メモ: 「誤差」の平均平方の平方根は、「あてはめの要約」レポートにある「誤差の標準偏差(RMSE)」と同じです。
使用した平均平方誤差
([誤差の指定]で[純粋誤差]または[指定した値]を選択した場合にのみ表示されます。)[誤差の指定]でデフォルトの項目を選択しなかったときに、使用した平均平方誤差です。「平均平方」列の平均平方誤差ではなく、この値を使ってF値が計算されています。
使用した誤差自由度
([誤差の指定]で[純粋誤差]または[指定した値]を選択した場合にのみ表示されます。)[誤差の指定]でデフォルトの項目を選択しなかったときに、使用した誤差自由度です。「自由度」列の誤差の自由度ではなく、この値を使って「p値(Prob>F)」が計算されています。
F値
モデルの平均平方を、誤差の平均平方(MSE; Mean Square for Error)で割った値。F値は、「現在のモデルが、切片だけのモデル(つまり、予測値が応答変数の平均値であるモデル)と有意に異なるかどうか」を検定するのに使われる検定統計量です。
p値(Prob > F)
検定のp値。「p値(Prob>F)」は、「切片を除くすべてのパラメータが0である」という仮想的な状況で、実際に観測されたF値よりも大きなF値が得られる確率です。p値が小さい場合は、前述の状況のもとでは観測されたF値は生じにくいことを意味します。p値が小さかった場合は、得られた結果は「少なくともいずれか1つの効果が0ではない」ことを示す証拠だと考えられます。