「モデルのあてはめ」起動ウィンドウでは、ほとんどの手法に共通して次のような要素が表示されます。
モデルの指定
[モデルの指定]メニューには、次のようなオプションがあります。
多項式の中心化
多項式が含まれている場合に、多項式に関係している変数を中心化します。
欠測値をカテゴリとして扱う
データに欠測値がある場合、欠測値のある行を分析から除外するのではなく、欠測部分をダミー変数として計画行列に含めます。
コード変換を適用しない
効果の列に対して「コード変換」列プロパティが指定されていても、その指定を無視して、モデルをあてはめます。
有意水準の設定
「モデルのレポート」で使用する信頼区間の有意水準(α水準)を設定します。
データテーブルに保存
モデルの指定を現在のデータテーブルのスクリプトに保存します。
スクリプトウィンドウに保存
モデルの指定をスクリプトウィンドウに保存します。
SASジョブの作成
指定されているモデルをあてはめるSASコードを、SASプログラムウィンドウに保存します。
SASでサブミット
現在のモデルをあてはめるSASコードを、SASシステムで実行します。
収束の設定
収束基準と最大反復回数を設定するオプションがあります。これらの設定は、いくつかの手法において反復計算の収束や停止を判断するのに使われます。
モデルの指定に関するこれらのオプションの詳細については、「モデルの指定」のオプションを参照してください。
列の選択
現在のデータテーブルの列のうち、除外されていないものが一覧表示されます。
Y
モデルの応答変数です。複数の列を指定できます。
メモ: [モデルのあてはめ]では、ベクトル値を含む「式」タイプの列を応答変数に指定することはできません。
重み
1つの列だけ指定できます。この役割を持った列の値は、分析において各行の重みとして使用されます。重みを参照してください。
度数
1つの列だけ指定できます。この役割を持った列の値は、分析において各行の度数として使用されます。度数が整数の場合、度数を指定したときの結果は、度数がkである行をk行にしたデータに対する結果と同じになります。小数点を含む度数を指定することもできます。度数を参照してください。
検証
JMP Proでは、一部の手法で「検証」列を入力できます。手法ごとの「検証」列の使い方については、それぞれの手法の章を参照してください。「列の選択」リストで列を選択せず、[検証]ボタンをクリックすると、データテーブルに検証列を新規作成することができます。検証列を作成する方法の詳細については、『予測モデルおよび発展的なモデル』の検証列の作成を参照してください。JMPのモデル化プラットフォームでの検証列の使用方法については、『予測モデルおよび発展的なモデル』のJMPのモデル化での検証を参照してください。
By
指定した列の水準ごとにレポートが作成されます。複数のBy変数を割り当てた場合、それらのBy変数の水準の組み合わせごとに個別に分析が行われます。
追加
[追加]ボタンをクリックすると、選択されている列がモデルに効果として追加されます。追加を参照してください。
交差
2つ以上の変数を交差させ、交互作用や多項式を作成します。交差を参照してください。
枝分かれ
[枝分かれ]ボタンをクリックすると、枝分かれ効果が作成されます。枝分かれを参照してください。
マクロ
一般によく使用されるモデルの効果を生成します。マクロを参照してください。
次数
マクロで設定される多項式の次数を指定します。マクロの[設定された次数まで]および[多項式の次数]を参照してください。
属性
モデル効果に属性を適用します。これらの属性によって、効果の扱いが決まります。属性を参照してください。
変換
選択した連続尺度の効果またはY列を変数変換します。変換を参照してください。
切片なし
モデルから切片項を除外します。
手法
あてはめの手法を指定します。「モデルのあてはめ」起動ウィンドウの要素を参照してください。選択した手法に応じて、異なるオプションが表示されます。
イベントを示す水準
(Yが2値で名義尺度である場合の一部の手法でのみ使用可能)ロジスティック回帰モデルで分子にするほうの水準を指定します。デフォルト値は、2水準のうち順序が後のものです。
ヘルプ
「モデルのあてはめ」プラットフォームのヘルプが表示されます。
前回の設定
前回使用した設定内容が起動ウィンドウに自動的に入力されます。
削除
役割から変数を削除します。効果をダブルクリックするか、効果を選択してBackspaceキーを押しても、効果が削除されます。
実行
指定したモデルと手法でレポートウィンドウを作成します。
ダイアログを開いたままにする
分析の実行後も、起動ウィンドウが開いたままになります。いつでも設定を変更し、分析をやり直すことができます。
[度数]リストボックスに指定された列の値は、度数として扱われます。度数の列は「モデルのあてはめ」のほとんどの手法で指定できます。度数は、一般に次のように解釈されます。ある行の度数がfだとします。このときの計算結果は、その行とまったく同じ値をもつ行をf行だけ繰り返したデータに対する結果と同じになります。
度数が0または欠測値の行は、分析から除外されます。負の度数は、「生存時間(パラメトリック)」で打ち切りである行に対してのみ使用できます。それ以外の場合は分析から除外されます。「生存時間(パラメトリック)」において、区間打ち切りデータの形式で適切な負の度数を使用すると、切断分布(truncated distribution)があてはめられます。
度数の値は整数でなくてもかまいません。整数以外である場合を含む度数の処理に関する技術的な詳細は、度数を参照してください。
重み変数は、データの行ごとに、誤差分散の大きさが異なる場合に役立ちます。たとえば、各行が予め集計された平均から成るデータで、回帰モデルをあてはめる場合などです。このような場合、平均を計算するのに用いたデータ数が多い行(分散が小さい行)は、データ数が少ない行(分散が大きい行)よりも、損失関数に対する寄与が大きくなるはずです。適切な重みを使えば、このような分散が異なる状態を考慮することができます。
重み変数は、多くの「モデルのあてはめ」手法で使用されています。重み変数がサポートされている手法では、次のいずれか1つの方法で重みを処理します。
• 誤差分散の逆数として処理する
• 度数として処理する
最小2乗法や正規分布の最尤法においては、指定された行の重みwを、w-1/2だけスケーリングして残差に掛けます。
重み変数は、推定値と標準誤差に影響します。ただし、重み変数は、度数変数とは異なり、仮説検定で使用される自由度には影響しません。
重みが負の値または0である行は、分析から除外されます。
[名義ロジスティック]と[順序ロジスティック]においては、重みは度数として処理されます。重み変数と度数変数の両方が指定されている場合、[名義ロジスティック]と[順序ロジスティック]では、重みと度数の積を度数として処理します。