公開日: 09/19/2023

「Bayesプロット」レポート

「最小2乗法によるあてはめ」レポートの「Bayesプロット」では、正規プロットとは別の方法で、どの効果が重要かを見極めることができます。このレポートは、Box and Meyer(1986)によって紹介された、Bayes(ベイズ)流の方法で事後確率を計算します。この方法では、Box and Meyer(1986)により、推定値が2つの分布の混合分布から抽出されていると仮定します。一方の分布は、重要でない効果を表し、その分散がs2の正規分布であるとします。もう一方の分布は、重要な効果を表し、分散がs2K倍である正規分布であるとします。後者の分布は、不純物分布(contaminating distribution)と呼ばれています。

パラメータ推定値に対応するモデル項。

推定値

パラメータ推定値。Bayesプロットは、標準偏差(標準誤差)が1になるように変換された推定値に対して作成されます。推定値が無相関の場合、t値が使用されます。推定値に相関がある場合、直交t値が使用されます。

事前確率

重要である効果の割合を指定できます(つまり、推定値が不純物分布から来る事前確率)。この事前確率は、通常、どの推定値にも等しい値が設定されます。デフォルトでは一般的に推奨される0.2という値がいずれの推定値にも設定されていますが、これを変更することができます。

係数K

重要でない効果の分散に対する、重要である効果の分布(不純物分布)の分散の比。デフォルトでは、Kは一般的に推奨される10に設定されています。

標準誤差尺度

標準誤差の推定値に自由度がある場合、この値は1に設定されます。Bayesプロットで使われる推定値は変換され、その標準偏差(標準誤差)が1になるように尺度化されているからです。誤差分散が推定できない飽和モデル(誤差自由度が0であるモデル)では、この値が0に設定されます。このフィールドに何らかの数値を指定するときは、推定値がRMSEの何倍になっているかを指定してください。

DFE

誤差の自由度。

Figure 3.40は、「Bicycle.jmp」サンプルデータに対するデフォルトにおけるBayesプロットの設定です。このウィンドウで[実行]をクリックすると、各項の事後確率と棒グラフが表示されます(Figure 3.41)。

Bayesプロットの例

1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Bicycle.jmp」を開きます。

2. [分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。

3. 「時間」を選択し、[Y]をクリックします。

4. 「ハンドル」から「朝食」までを選択して[追加]をクリックします。

5. [実行]をクリックします。

6. 「応答 時間」の赤い三角ボタンをクリックし、[要因のスクリーニング]>[Bayesプロット]を選択します。

図3.40 Bayesプロットの設定 

Bayesプロットの設定

7. [実行]をクリックすると、事後確率が計算されます。

図3.41 「Bayesプロット」レポート 

「Bayesプロット」レポート

「Bayesプロット」レポートの下の注釈には、効果に不純物が1つもない事後確率が表示されます。事後確率は、重要な効果がない事後確率であり、事前確率とデータから計算されています。事後確率0.0144は小さいので、重要な効果があることを示唆しています。「事後」確率列を見ると、少なくとも「電動モーター」「ギア」が重要な効果であることがわかります。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).