「カスタム計画」の赤い三角ボタンのメニューには、計画を設定・生成するためのオプションが含まれています。
応答の保存
「応答」パネルの情報を、新しいデータテーブルに保存します。これで保存した情報は、ほとんどの「実験計画(DOE)」ウィンドウで簡単に読み込むことができます。応答の情報を後で再利用したい場合に便利です。
応答のロード
データテーブルから応答をロードします。[応答の保存]オプションを使って応答のデータテーブルを生成します。
因子の保存
「因子」パネルの情報を、新しいデータテーブルに保存します。各因子の列には、その因子の水準が表示されます。その他の情報は、列プロパティとして保存されます。これで保存した情報は、ほとんどの「実験計画(DOE)」ウィンドウで簡単に読み込むことができます。因子の情報を後で再利用したい場合に便利です。
メモ: 空のデータテーブルにデータを直接入力して因子のデータテーブルを作成することもできますが、その場合も、すべての列に適切な役割を割り当てる必要があります。役割を割り当てるには、データグリッド内で列名を右クリックし、[列プロパティ]>[因子の役割]を選択します。そして、「因子の役割」セクションで、適切な役割を選択してください。
因子のロード
データテーブルから因子をロードします。[因子の保存]オプションを使って因子のデータテーブルを生成します。計画の種類に合わない因子をロードしようとすると、警告が表示されます。
制約の保存
(一部の計画では使用できません。)「因子の制約を定義」または「線形制約」で定義した因子の制約を、データテーブルの列として保存します。これで保存した情報は、ほとんどの「実験計画(DOE)」ウィンドウで簡単に読み込むことができます。制約の情報を後で再利用したい場合に便利です。
制約のデータテーブルにおける冒頭の数行には、各因子に対する係数が含まれます。最後の行は、不等式の右辺値を含みます。各制約の列には、「以下」と「以上」のどちらの制約であるかを示す「制約状態」という列プロパティが含まれます。「「制約状態」列プロパティ」を参照してください。
制約のロード
(一部の計画では使用できません。)データテーブルから因子の制約をロードします。[制約の保存]オプションを使って制約のテーブルを生成します。
乱数シード値の設定
このオプションに指定した整数が、乱数を用いる処理の乱数シード値として使われます。次のような処理で、乱数は使われます。
– 計画作成の検索アルゴリズムにおける初期化
– データテーブル作成時における実験順序のランダム化
– 最適計画を探索するときの初期計画(開始点)の選択
計画を再現するには、その計画の生成に使われた乱数シード値を入力し、[計画の作成]をクリックします。
計画の作成に使われた乱数シード値は、計画のデータテーブルに保存される「DOEダイアログ」スクリプトにも含まれます。
応答のシミュレート
計画のデータテーブルに、乱数で生成された応答値を含む列、および、応答値を乱数で生成するための計算式を含む列が追加されます。このオプションは、[テーブルの作成]をクリックする前に選択してください。
[テーブルの作成]をクリックすると、次の処理が実行されます。
– 乱数シミュレーションで生成されたデータ値が、応答変数の列に代入されます。
– 応答値を乱数シミュレーションで生成するための計算式を含む列が、新しい列として追加されます。このデータ値やこの計算式は、計画のウィンドウで指定したモデルに基づいています。
– 「モデル」ウィンドウが表示されます。このウィンドウで、モデルの効果の係数を設定するとともに、[正規]・[二項]・[Poisson]のいずれかの分布を指定できます。
メモ: 計画の種類によっては、使用できない確率分布もあります。
– 「シミュレーション」という名前のスクリプトが、計画のデータテーブルに保存されます。このスクリプトを実行すると、「モデル」ウィンドウが再び開き、シミュレーション値を再度計算したり、応答変数の確率分布を変更したりできます。
「モデル」ウィンドウでは、乱数シミュレーションで用いる応答変数の確率分布を選択してください。このウィンドウで[適用]ボタンをクリックすると、「<Y>のシミュレーション」という名前の列が更新されます。ここで、「<Y>」は応答列の名前です。[適用]を再びクリックすると、この「<Y>のシミュレーション」の値が更新されます。
詳細については、「応答のシミュレート」を参照してください。
メモ: [応答のシミュレート]オプションを使うと、JMP Proのシミュレーションの機能を使って、乱数シミュレーションを実行できます。実験計画に関する乱数シミュレーションの詳細は、『基本的な統計分析』の「シミュレーション」を参照してください。
X行列の保存
「モーメント行列」および「モデル行列」というスクリプトを、計画のデータテーブルに保存します。スクリプトには、モーメント行列とモデル行列が含まれます。X行列の保存を参照してください。
注意: 名義尺度の因子を含む計画の場合、[X行列の保存]オプションによって保存された「モデル行列」は、「モデルのあてはめ」で使用される計画行列とは異なります。「モデルのあてはめ」で使用される計画行列を得るには、「モデル」スクリプトを実行した後、「モデルのあてはめ」レポートで、[列の保存]>[コーディングのテーブルを保存]を選択してください。
最適化基準
計画の最適化基準を指定します。デフォルトの基準である[推奨する最適化法]は、主効果と交互作用の2水準の計画にはA-最適化基準、[RSM]ボタンを使って生成した完全2次式モデルにはI-最適化基準、それ以外の計画にはD-最適化基準を指定します。D-最適計画・I-最適計画・A-最適計画・交絡最適計画の詳細については、最適化基準を参照してください。
メモ: 常に使用する最適化基準が決まっている場合は、環境設定で固定しておくことができます。それには、[ファイル]>[環境設定]>[プラットフォーム]>[実験計画(DOE)]を選択します。[最適化基準]を選択し、該当するオプションを選択します。
開始点の数
計画の作成において使用するランダムな開始点の数(初期計画の数)を指定します。開始点の数を参照してください。
計画の検索時間
計画の検索にかける時間の上限を秒数として指定します。デフォルトの秒数は、計画の複雑さに応じて求められます。計画の検索時間および開始点の数を参照してください。
アルゴリズムの反復に時間がかかる場合は、「計画を計算中」というウィンドウが開き、進行状況が表示されます。このウィンドウで[キャンセル]をクリックすると、計算が停止し、その時点で見つかっている最良の計画が提示されます。変更が[困難]または[非常に困難]に設定されている効果、また推定が[可能な場合のみ]に設定されている効果を含まないD-最適計画の場合は、進行状況ウィンドウにD-効率も表示されます。
メモ: [計画の検索時間]は、環境設定として設定することもできます。それには、[ファイル]>[環境設定]>[プラットフォーム]>[実験計画(DOE)]を選択します。そして、[計画の検索時間]チェックボックスをオンにし、最大秒数を入力します。なお、ある状況においては、指定の秒数を超える場合には自動的に検索時間が延長されます。
球の半径
連続尺度の因子を超球面上に限定します。超球面の半径を指定し、[OK]をクリックします。原点から指定した半径だけ離れた位置に計画点が置かれます。このオプションは、[テーブルの作成]をクリックする前に選択してください。
メモ: [球の半径]は、[線形制約を指定]オプションと組み合わせることはできません。また、変更が[困難]な因子が含まれている場合(つまり、分割実験の場合)、このオプションは使えません。
[詳細オプション]>[配合成分の合計]
配合成分の合計には、任意の正の値を設定します。このオプションを使用すると、実験を通して配合成分の合計が指定した値になります。
[詳細オプション]>[分割実験の分散比]
残差誤差の分散に対して、一次単位の分散および二次単位の分散が何倍になっているかを指定します。このオプションを使うには、分割実験(1段分割実験)の場合は変更が「困難」な因子、2段分割実験の場合は変更が「非常に困難」な因子を定義しておく必要があります。その後、分割実験(1段分割実験)を指定した場合には一次単位に関する比を、2段分割実験を指定した場合には一次単位および二次単位に関する比を入力します。
[詳細オプション]>[事前パラメータ分散]
(このオプションは、「モデル」セクションが使用できる場合にのみ使用できます。)「推定」列が[可能な場合のみ]に設定されている因子がある場合は、このオプションにより、割り当てる重みを変更できます。[計画の作成]をクリックすると、そこで指定された重みが計算に使われます。各項について正の数を入力してください。ここでの値は、事前分散の逆数の平方根を表します。重みが大きいほど、パラメータの事前分布での分散が小さくなり、「パラメータが0である」という事前情報が多くなります。
[可能な場合のみ]の因子がある場合には、Bayes流のD-最適化基準とI-最適化基準によって計画が作成されます。アルゴリズムが使用する重みのデフォルト値は、[必須]の項に対しては0、[可能な場合のみ]の項を含む交互作用に対しては4、そのほかの[可能な場合のみ]の項に対しては1です。交絡行列および最適化基準を参照してください。
[詳細オプション]>[A-最適でのパラメータの重み]
(A-最適計画に使用)モデルパラメータの重みを指定します。たとえば、主効果に2次効果より大きな重みを適用することができます。パラメータの重みについては、Morgan and Stallings(2017)を参照してください。
[詳細オプション]>[D効率の重み]
交絡最適化計画における、D-効率の相対的な重要度を指定します。このオプションは、推定値の分散の減少と、交絡構造のどちらをどれぐらい重視するかを決めます。0 ~ 1の値を指定してください。値が大きいほど、D-効率が重視されます。デフォルト値は0.5です。このオプションは、「最適化基準」に[交絡最適計画の作成]を選択している場合にのみ有効です。
D-最適化基準の定義については、最適化基準を参照してください。交絡最適化について詳しくは、交絡最適化基準を参照してください。
スクリプトをスクリプトウィンドウに保存
現在の「カスタム計画」で定義している計画を作成するスクリプトを、スクリプトウィンドウに保存します。