この例では、「モデルのあてはめ」プラットフォームの[MANOVA]手法を使用して、コレステロールの処置データをモデル化します。サンプルデータの測定値は層を成しています。5人ずつの参加者が、「A」、「B」、「コントロール」、「プラシボ」という4つの「処置群」に割り付けられています。3か月の間、1か月に1回、午前と午後の2回にわたってコレステロールを測定しました。この例では、応答の列を月日/時刻順に並べてあります。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Cholesterol.jmp」を開きます。
2. [分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。
3. 「4月 午前」、「4月 午後」、「5月 午前」、「5月 午後」、「6月 午前」、「6月 午後」を選択し、[Y]をクリックします。
4. 「処置群」を選択し、[追加]をクリックします。
5. 「手法」として[MANOVA]を選択します。
6. [実行]をクリックします。
図10.5 「処置群」のグラフ
「処置群」のグラフを見ると、4群の平均コレステロール値が、最初は近い値であることがわかります。「処置群」のA群とB群では、実験期間の最後の方でコレステロール値が下がっていますが、コントロール群とプラシボ群は変わっていません。
7. [応答の選択]メニューをクリックし、[複合]を選択します。
ウィンドウが開くので、応答の配列、および、各応答の水準数を指定します。「Cholesterol.jmp」の例では、3つの月の中に2つの時刻を並べるように、効果に指定します。なお、交互作用の検定を、オプションで選択できます。この例では選択してください。
8. ウィンドウにて、Figure 10.6のような設定をします。
図10.6 複合のウィンドウ
9. [OK]をクリックします。
各効果の検定が表示されます。Figure 10.7はレポートの一部です。次のことを注意してください。
– 「時間」のレポートを見ると、「時間」と「処置群」の交互作用のp値は0.6038であり、交互作用が有意でないことを示しています。つまり、「処置群」の間に見られる差の時間(午前/午後)による変化は有意でありません。「時間」には水準が2つ(「午前」と「午後」)しかないため、正確なF検定が計算されています。
– 「月」のレポートを見ると、「月」と「処置群」の交互作用のp値は0.0001より小さく、交互作用が有意であることを示しています。つまり、処置群の間に見られる差が月によって変化することがわかります。Figure 10.5の「処置群」のグラフを見ると、4月は処置群の間に差がありませんが、「A」、「B」、「コントロール」、「プラシボ」の差は5月、6月と徐々に大きくなっています。
– 「時間*月」のレポートにおける「処置群」のp値を見ると、有意ではありません。これは、「時間」、「月」、「処置群」の3次の交互作用が統計的に有意でないことを示します。
図10.7 コレステロール研究の結果