この例では、「モデルのあてはめ」プラットフォームの[順序ロジスティック]手法で2次式のモデルを用いて、応答の確率値を最適化します。
この例では、電子レンジ用ポップコーンの製造会社が、ポップコーンにどれだけの塩を入れたら売上げが伸びるかを調べようとしています。それには、消費者の評価がポップコーンに入れる塩の量の関数であると仮定して、評価が最大となる塩の量を求める必要があります。この実験では、塩の量を小さじ0~3杯とし、試食を通じて味を1(低い)~5(高い)という尺度で評価しました。望ましい応答の確率を最大にする量が、最適な食塩量となります。塩の各水準について10個の観測値を取り、結果を記録したのがTable 12.2です。
塩の量 |
味の評価 |
---|---|
ゼロ |
1, 3, 2, 4, 2, 2, 1, 4, 3, 4 |
小さじ1 |
4, 5, 3, 4, 5, 4, 5, 5, 4, 5 |
小さじ2 |
4, 3, 5, 1, 4, 2, 5, 4, 3, 2 |
小さじ3 |
3, 1, 2, 3, 1, 2, 1, 2, 1, 2 |
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Salt in Popcorn.jmp」を開きます。
2. [分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。
3. 「列の選択」リストで「味の評価」を選択し、[Y]をクリックします。
4. 「塩」を選択し、[マクロ]>[応答曲面]をクリックします。
5. [実行]をクリックします。
6. 「応答曲面」の開閉アイコンをクリックし、レポートを開きます。
図12.11 「Salt in Popcorn.jmp」を使った「順序ロジスティックのあてはめ」
モデルを実行すると、レポートが作成され、2次モデルが応答確率にどのようにあてはまったかが表示されます。作成された曲線は、U字型の曲線を積み重ねたような形になっており、どの曲線も同じ点で最小値を取ります。最適解は、(Xの平均) – 0.5 × (b1/b2)で求められます。b1は線形部分の係数、b2は2次部分の係数です。これは、Xが中心化されているときの式です。「パラメータ推定値」表から、最適な塩の量は1.5 - 0.5 × (0.5637/1.3499) = 1.29杯であると計算できます。
特定の塩の量における曲線間の垂直距離は、それぞれ、その塩の量に対する5つの応答水準の確率を示します。最も高い応答水準の確率は、一番上の曲線からプロットの上の辺までの距離に該当し、この距離が最大になるのは、食塩の量が小さじ約1.3杯のときです。4本の曲線すべてにおいて、この値(約1.3杯)のときに最適値となっています。
「塩」および「塩*塩」のパラメータ推定値を係数として、最適値が求められます。最適解は、ロジスティックプロット上では最小値として表示されますが、最も高い応答の確率を最大化するという意味では最大値であると言えます。「応答曲面」レポート(Figure 12.11)の一部である「解」を見ると、「最適解」が1.29であることがわかります。