この例では、区間打ち切りデータを持つ区分Weibull-NHPPをあてはめます。データは3つの試験フェーズにおけるタービンエンジンの故障数です。最初の2列は、故障が生じた期間を示しています。この期間は、試験開始から数えた日数で記録されています。故障が生じた正確な時点は不明で、期間内のいずれかの時点で起こったとしかわかっていません。
この例では、故障数は週ごとに報告されます。故障が1件も発生しなかった週は、データテーブルに記録されていません(たとえば、106日目から112日目の週はデータテーブルに記録されていません)。故障数がゼロの週の情報は、尤度に寄与しないため、モデルパラメータの推定にも必要ありません。
ただし、「区分Weibull-NHPPモデル」または「再初期化Weibull-NHPPモデル」をあてはめるには、すべてのフェーズにおいて、フェーズの開始時間は、[イベントまでの時間]列または[タイムスタンプ]列に記録されていなければなりません。
この例では、3つのフェーズは、それぞれ、0日目(「Initial」)、91日目(「Revised」)、200日目(「Final」)から始まっています。「Initial」および「Revised」のフェーズでは、それらの第1週で、故障が生じています。しかし、196日目から231日目までの間は、故障が発生していません。「Final」フェーズの開始時間が200日目であることを示すため、2つの時間列の値が両方とも200で、故障件数が0である行が、23行目に追加されています。この行により、「Final」フェーズの開始時間が決まります。
試験は385日目で終了しています。この例は、データが区間打ち切りで、かつ、定時打ち切り試験の例です。
メモ: 分析対象のデータテーブルにおいて、各フェーズに開始時間が記録されていることは、区間Weibull-
NHPPモデル、および、再初期化Weibull-NHPPモデルにおいて重要です。区間打ち切りデータの場合、各フェーズの最初の行に記録されている時間が、そのフェーズの開始時間とみなされます。この例で、23行目がデータテーブルに記録されていなかったとすると、「Final」フェーズの開始時間は、200日目ではなく、231日目と判断されてしまいます。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Reliability」フォルダにある
「TurbineEngineDesign2.jmp」を開きます。
2. [分析]>[信頼性/生存時間分析]>[信頼性成長]を選択します。
3. [イベントまでの時間の形式]タブで、「開始日」列と「終了日」列を[イベントまでの時間]に指定します。
4. 「修正」を[イベント度数]に指定します。
5. 「設計のフェーズ」を[フェーズ]に指定します。
6. [OK]をクリックします。
7. 「信頼性成長」の赤い三角ボタンをクリックし、[モデルのあてはめ]>[区分Weibull-NHPP]を選択します。
Figure 11.23は、「観測データ」の「累積イベント数」グラフです。青い縦の点線は、フェーズの境界を示しています。「Revised」フェーズの最初のデータは、14行目です。14行目の「開始日」列の値は「91」ですので、「Revised」フェーズの開始時間は、91日目と認識されています。同様に、「Final」フェーズの最初のデータは、23行目です。23行目の「開始日」列の値は「200」ですので、「Final」フェーズの開始時間は、200日目と認識されています。
図11.23 「累積イベント数」グラフ
「区分Weibull-NHPP」レポート」が、「モデル」アウトラインノードの下に表示されます。平均故障間隔は、3つのフェーズを経て、徐々に延びていることがわかります。また、「推定値」レポートを見ると、betaの推定値は徐々に減少しています。
図11.24 「平均故障間隔」グラフ