「モデルのあてはめ」プラットフォームで[名義ロジスティック]手法を使って、名義ロジスティック回帰モデルをあてはめます。インゴットの製造に関する実験として、加熱時間とソーキング時間を変え、仕様に適合した、圧延可能な状態に仕上がったかどうかを調べてみました。この例では、圧延可能な状態の確率を、2つの説明変数をもつロジスティック回帰モデルにあてはめます。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Ingots.jmp」を開きます。
カテゴリカル変数である「状態」は、「Ready」(適合)と「Not Ready」(不適合)の値を取ります。
2. [分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。
3. 「状態」を選択し、[Y]をクリックします。
選択した列が名義尺度であるため、自動的に[名義ロジスティック]が手法として指定されます。
「状態」は、2水準の名義尺度の列であるため、[イベントを示す水準]オプションが表示されます。このオプションで、どの応答水準の確率をモデル化するかが指定できます。
4. 「イベントを示す水準」として[Ready]を選択します。
[イベントを示す水準]を「Ready」とすると、「Ready」が生じる確率のほうがロジットの分子に設定されます。
5. 「加熱時間」と「ソーキング時間」を選択し、[追加]をクリックします。
6. 「度数」を選択し、[度数]をクリックします。
7. [実行]をクリックします。
反復計算が収束したら、名義ロジスティックの回帰レポートが表示されます。
図12.2 「名義ロジスティックのあてはめ」レポート
「モデル全体の検定」レポートを見ると、カイ2乗統計量(11.64)のp値が0.0030と小さく、モデル全体が有意であることがわかります。しかし、「ソーキング時間」は、パラメータ推定値のp値が0.8639であり、統計的に有意ではないことが示されています。
8. 「名義ロジスティックのあてはめ 状態」の赤い三角ボタンをクリックし、[プロファイル]を選択します。
図12.3 予測プロファイル
「加熱時間」を45、「ソーキング時間」を2に設定したとき、「状態」が「Ready」である確率は0.85となります。
この例に対する追加の分析として、圧延可能な状態となる確率の値を指定した場合の、特定のソーキング時間に対応する加熱時間を、逆推定によって求めたくなるかもしれません。そのような逆推定の例については、「モデルのあてはめ」の逆推定の例を参照してください。