「モデルのあてはめ」プラットフォームで[順序ロジスティック]手法を使って、順序ロジスティック回帰モデルをあてはめます。チーズの添加物(A~D)と味の関係について実験調査を行いました。この調査では、チーズの添加物(A~D)が味に与える影響を調べるため、試食グループによる味の判断を1(非常にまずい)から9(とてもおいしい)までの順序尺度で記録しました。この例では、各応答の確率を、1つの説明変数をもつロジスティック回帰モデルにあてはめます。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Cheese.jmp」を開きます。
2. [分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。
3. 「評価」を選択し、[Y]をクリックします。
選択した列が順序尺度であるため、自動的に[順序ロジスティック]が手法として指定されます。
4. 「チーズ」を選択し、[追加]をクリックします。
5. 「度数」を選択し、[度数]をクリックします。
6. [実行]をクリックします。
図12.4 「順序ロジスティックのあてはめ」レポート
この例の「(-1)*対数尤度」は、切片だけのモデルでは429.9ですが、完全モデルでは355.67まで減少しています。モデル全体の尤度比カイ2乗は148.45、自由度は3であり、添加物による評価の違いが高度に有意であることがわかります。
パラメータ推定値が最小のものが、最も評価の高いチーズ添加物を表します。計画行列において「チーズ[D]」に対する列はないので、「チーズ[D]」のパラメータ推定値は「パラメータ推定値」レポートに含まれません。ただし、「チーズ[D]」のパラメータ推定値は、他のパラメータ推定値の合計を-1倍した値です(Table 12.1)。
チーズ | 推定値 | 人気 |
A | -0.8622 | 第2位 |
B | 2.4896 | 最下位 |
C | 0.8477 | 第3位 |
D | -2.4750 | 第1位 |
「あてはまりの悪さ(LOF)」レポートには、モデルがデータにうまくあてはまっているかどうかを評価する検定の結果が表示されます。
順序ロジスティックモデルを使った場合、応答水準の最初の8つそれぞれに切片がありますが、「チーズ」の4つの水準に対してはパラメータが3つしかありません。その結果、順序ロジスティックモデルの(切片を除いた)自由度は3となります。この順序ロジスティックモデルは、「あてはまりの悪さ(LOF)」検定の「あてはめたモデル」に該当します。
名義ロジスティックモデルを使った場合、応答水準の最初の8水準それぞれについて、切片パラメータのほかに、「チーズ」の4水準に関する3つのパラメータがあります。その結果、名義尺度モデルの(切片を除いた)自由度は8 x 3 = 24です。この名義ロジスティックモデルは、「あてはまりの悪さ(LOF)」検定の「飽和モデル」に該当します。
この例での「あてはまりの悪さ(LOF)」検定は、順序ロジスティックモデルを、名義ロジスティックモデルと比較して検定していることになります。「あてはまりの悪さ(LOF)」が統計的に有意でないことから、順序モデルでも構わないだろうと判断できます。