「決定的スクリーニングのあてはめ」プラットフォームを使って実験回数が18回である計画を評価します。計画は6因子を含む2ブロックの決定的スクリーニング計画で、追加の実験回数は4です。
メモ: 連続尺度の因子とカテゴリカル因子を含む計画の例を見るには、サンプルデータファイル「Peanut Data.jmp」を開き、「決定的スクリーニングのあてはめ」テーブルスクリプトを実行します。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Design Experiment」フォルダの
「Extraction 3 Data.jmp」を開きます。
2. [実験計画(DOE)]>[決定的スクリーニング]>[決定的スクリーニングのあてはめ]を選択します。
3. 「歩留まり」を選択し、[Y]をクリックします。
4. 「ロット」から「時間」までを選択し、[X]をクリックします。
5. [OK]をクリックします。
2ステージに分けた分析が実行されます。アルゴリズムについて詳しくは、「決定的スクリーニングのあてはめ」プラットフォームの統計的詳細を参照してください。
ステージ1では、応答に影響している可能性の高い主効果が特定されます。
図9.2 主効果に対するステージ1のレポート
メモ: 偽因子は、計画や分析において因子として表示されません。
2つの偽因子で追加された4回の実験の情報を用いて、自由度2の誤差平方和が求められます。偽因子は、計画を作成するときに暗黙的に使われるだけであり、その構造上、応答には影響していません。そのため、偽因子を利用して求められた誤差分散推定値は不偏推定値となります。各主効果について、主効果の応答YMEに対する検定を、この誤差分散推定値から求めます。この例では、「メタノール」・「エタノール」・「時間」の3つの因子のp値が閾値より小さく、有意と判断されました。閾値の詳細については、ステージ1の手法を参照してください。
「プロパノール」・「ブタノール」・「pH」という、有意ではない3つの因子の変動は、偽因子の平方和に足されます。その結果、RMSEの自由度は、Figure 9.2に示すように、5になっています。
ステージ2では、特定の基準が満たされるまで、2次効果(偶数次効果)が追加されていき、応答に影響している可能性が高い2次効果を見つけます。このステージ2では、2次効果である2因子間交互作用と2乗項が追加されていきます。
図9.3 ステージ2の偶数次効果のレポート
ステージ1では有意な主効果が3つ見つかったので、次は、それらの3因子から構成される2次効果を、特定の基準が満たされるまで追加していきます。今回の例では、ステージ2のレポートにはすべての2次効果が追加されています。これは、ステージ2で2次効果を追加していく全過程において、ステージ2のRMSEがステージ1のRMSEより常に大きいままだったからです。ステージ2の手法を参照してください。
ステージ2で求められたRMSEは自由度が2になっていますが、このRMSEは最終的なモデル(6つの2次効果すべて)から得た誤差標準偏差の推定値です。
モデルに含められた効果は、「組み合わせたモデルのパラメータ推定値」レポートに表示されます。
図9.4 「組み合わせたモデルのパラメータ推定値」レポート
このレポートの下部のRMSEと自由度は、通常の標準最小2乗法によって得られる結果です。このレポートに表示されている効果を、最終的なモデルにおける効果の候補として使用するとよいでしょう。
[モデルの作成]ボタンをクリックすると、「モデルのあてはめ」の起動ウィンドウが開き、その起動ウィンドウで選択された効果が指定されます。一方、[モデルの実行]ボタンをクリックすると、最小2乗法によってすぐにモデルがあてはめられます。
1. [モデルの実行]をクリックします。
「予測値と実測値のプロット」には、あてはまりの悪さを示す証拠が見当たりません。「効果の要約」レポートを見ると、モデルからさらに効果を削除できる可能性が示唆されています。
図9.5 「予測値と実測値のプロット」と「効果の要約」レポート
2. 「効果の要約」レポートから「メタノール*エタノール」を選択し、[削除]をクリックします。
「メタノール*時間」のp値は、0.33750です。次はこれを削除します。
3. 「効果の要約」レポートから「メタノール*時間」を選択し、[削除]をクリックします。
「エタノール*エタノール」のp値は、0.15885です。次はこれを削除します。
4. 「効果の要約」レポートから「エタノール*エタノール」を選択し、[削除]をクリックします。
図9.6 最終モデルに含まれる効果の「効果の要約」レポート
その他の効果は有意です。結論として、「これらの効果が応答に影響している効果であろう」と言うことができます。