データを1つの分析テーブルに変換する例
選択モデルでは、2～3つのデータテーブルを作成するより、1つのデータテーブルにまとめた方が効率的な場合があります。1つのデータテーブルの形式にするには、その1つのデータテーブルに被験者効果を追加します。また、選択肢の集合として3つの列（選択肢 1、選択肢 2、選択肢 3）を使用する代わりに、応答の指示変数（0,1を値とするインジケータの列）を追加します。1つのデータテーブルにする場合は、以下の手順でデータを変換します。
1. データを2つの分析テーブルに変換する例のデータの積み重ね手順に従って
「Stacked Daganzo.jmp」を作成するか、すでに作成したものを開きます。
2. ［列］>［列の新規作成］を選択します。
3. 「列名」に「応答」と入力します。
4. ［列プロパティ］をクリックし、［計算式］を選択します。
5. 関数リストから［条件付き］を選択し、［If］を選択します。
6. 「選択した交通手段」の列を選択し、計算式（「式」）に挿入します。
7. 「=」を入力して「交通手段」を選択します。
8. ［then節］に「1」を入力し、［else節］に「0」を入力します。
9. 計算式エディタウィンドウで［OK］をクリックします。「列の新規作成」ウィンドウで［OK］をクリックします。
入力が完了した計算式は、Figure 4.52のようになります。
図4.52 指示変数を作成する計算式
10. 「被験者」、「移動時間」、「応答」の各列を選択し、［テーブル］>［サブセット］を選択します。
11. ［すべての行］と［選択されている列］を選択し、［OK］をクリックします。
新しいデータテーブルは、Figure 4.53のようになります。
図4.53 「Stacked Daganzo」データテーブルのサブセット（一部）
12. ［分析］>［消費者調査］>［選択モデル］の順にクリックして起動ウィンドウを開き、Figure 4.54のようにモデルを指定します。
図4.54 「Stacked Daganzo」データのサブセットを使い、テーブル1つで分析するときの「選択モデル」ダイアログボックス
13. ［モデルの実行］をクリックします。
図4.55 1つのテーブルで分析したときの「移動時間」のパラメータ推定値
結果は、テーブルを2つ使って分析した場合（Figure 4.51）と同じです。
この章では、単純な例を使って「選択モデル」プラットフォームの機能を紹介しましたが、もっと複雑な変換や交互作用項を含む、より高度なモデルも実行できます。