どのメーカーの洗剤がよく売れているかを調べるため、市場調査が行われました。調査対象となったいくつかの変数のうち、どの変数が洗剤の売れ行きに最も影響を及ぼしているかを調べましょう。モデルは次の変数で定義されます。
• 応答変数の「ブランド」。値は「m」と「x」。
• 「柔らかさ」効果。値は「柔らかい」、「普通」、「硬い」。
• 「前回も使用」効果。値は「はい」と「いいえ」。
• 「温度」効果。値は「高」と「低」。
• 「度数」という列名の度数変数。カテゴリの組み合わせに対する度数を示します。
まず、3因子の完全実施要因モデルを指定します。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Detergent.jmp」を開きます。
2. [分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。
3. 「列の選択」リストで「ブランド」を選択し、[Y]をクリックします。
名義尺度の応答変数を指定したため、「手法」が自動的に[名義ロジスティック]になります。
「ブランド」は、2水準の名義尺度の列であるため、[イベントを示す水準]オプションが表示されます。このオプションで、どの応答水準の確率をモデル化するかが指定できます。
4. 「イベントを示す水準」として[m]を選択します。
5. 「度数」を選択し、[度数]をクリックします。
6. 「柔らかさ」から「温度」までを選択し、[マクロ]>[完全実施要因]をクリックします。
7. [実行]をクリックします。
図12.9 3因子の要因モデルの「名義ロジスティックのあてはめ」
「モデル全体の検定」レポートを見ると、3因子の完全実施要因モデルが全体として有意であることがわかります(「p値(Prob>ChiSq)」が0.0006)。
「効果の尤度比検定」レポートからは、「柔らかさ」を含む効果は、モデルの適合度に有意に寄与していないことがわかります。そのため、「柔らかさ」はモデルから削除してもかまわないと考えられます。効果の削除は、「効果の要約」レポートで次のように実行します。
8. 「効果の要約」レポートの「要因」列で、「柔らかさ*前回も使用」から「柔らかさ」までを選択し、[削除]をクリックします。
レポートが更新され、2因子の要因モデルになります(Figure 12.10)。「モデル全体の検定」レポートは、2因子のモデルも全体として有意であることを示しています。
図12.10 2因子の要因モデルの「名義ロジスティックのあてはめ」
「前回も使用」と「温度」が洗剤の選択に対して効果を持つと結論できます。また、「温度」と「前回も使用」の交互作用は統計的に有意でなく、「温度」が「前回も使用」に依存するという証拠はありません。