この時系列の例では、保留データを使って、鉛の生産高に関する月次データの予測を評価します。保留データが使用されるため、状態空間平滑化モデルとARIMAモデルの両方をあてはめて比較することで、データに最もよくあてはまるモデルを見つけることができます。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Time Series」フォルダにある「Lead Production.jmp」を開きます。
2. [分析]>[発展的なモデル]>[時系列分析]を選択します。
3. 「鉛の生産高」を選択し、[Y, 時系列]をクリックします。
4. 「日付」を選択し、[X, 時間ID]をクリックします。
5. [保留データの予測]を選択します。
このオプションを選択すると、将来の観測値の代わりに保留データについて予測が行われます。
6. 「予測する期数」の横に「12」と入力します。
これにより、データ内の最後の12個の観測値が保留データに割り当てられます。このデータは月次なので、この値は最後の1年間に該当します。
7. [OK]をクリックします。
8. 「時系列 鉛の生産高」の赤い三角ボタンをクリックし、[状態空間平滑化]を選択します。
9. 「周期」に「12」と入力します。
10. [パラメータの制約]を選択します。
11. [OK]をクリックします。
12. 「時系列 鉛の生産高」の赤い三角ボタンをクリックし、[複数のARIMAモデル]を選択します。
13. すべてのパラメータの範囲を0~1に設定します。「ARIMAモデルの指定」ウィンドウはFigure 18.24のようになります。
図18.24 「複数のARIMAモデル」の指定
14. [推定]をクリックします。
図18.25 モデルの比較
これらのあてはめ統計量は、状態空間平滑化モデルとARIMAモデルの間で比較することができます。なぜなら、どちらのモデルも保留データについて評価されているからです。
15. 「モデルの比較」レポートで、最初の3つのモデルの「グラフ」チェックボックスをオンにします。
図18.26 「モデルの比較」のグラフ
これらの評価統計量と予測プロットから、上の3つのモデル間では、予測性能にあまり違いがないことがわかります。このレポートを見る限り、このデータにはARIMAモデルか状態空間平滑化モデルのいずれかが適していると言えます。