完全実施要因計画(full factorial design)とは、因子のすべての値の組み合わせを実験する計画です。この計画は、すべての交互作用を推定できるという特徴があります。ただし、スクリーニング計画に比べて規模が大きいことと、高次の交互作用は重要でないことが多いことを考慮すると、必ずしも効率が良い計画とは言えません。因子数や水準数が少なく、かつ、すべての交互作用に関する情報を得たいような場合に使用するのが一般的です。たとえば、測定システム分析(MSA; Measurement Systems Analysis)では、完全実施要因計画で得られたデータをもとに基準を生成することがよくあります。
図13.1 2水準の3因子に対する完全実施要因計画