「多次元尺度構成」プラットフォームを起動させるには、[分析]>[多変量]>[多次元尺度構成]を選択します。
図10.4 「多次元尺度構成」起動ウィンドウ
「列の選択」の赤い三角ボタンのメニューのオプションについては、『JMPの使用法』の列フィルタメニューを参照してください。
Y, 列
分析の対象となる列。列のデータタイプは「数値」でなければなりません。
By
別々に分析を行いたいときに、そのグループ分けをする変数を指定します。指定された列の水準ごとに、別々に分析が行われます。各水準の結果は別々のレポートに表示されます。複数のBy変数を割り当てた場合、それらのBy変数の水準の組み合わせごとに個別のレポートが作成されます。
メモ: 距離行列を用いる場合には、すべての対象の距離が含まれた行列が、By変数の水準ごとに必要となります。
データ形式
多次元尺度構成では、2つのデータ形式がサポートされています。データ形式を指定するか、または自動選択されるようにすることができます。
自動で決める
データ形式が自動的に選択されます。ヒューリスティックにより距離行列が識別され、それ以外のデータテーブルはすべて属性の元データとみなされます。
距離行列
対称行列、下三角行列、または上三角行列。行列の列数と行数が等しく、また、対角要素がゼロか欠測値のいずれかでなければいけません。
属性の元データ
品質・特性・評価などの測定値の元データ。測定値はすべて同じ尺度であるとみなされます。このデータには、各対象の名前やIDを含んだ列が含まれているのが普通です。そのような名前やIDの列は、分析自体では使用せず、プロットのデータ点に対するラベルとして使用してください。
変換
用意されている変換は、[比尺度]、[間隔尺度]、[順序尺度]の3つです。
変換なし
変換は行われません。
比尺度
類似度には大小関係があり、それらの差には意味があり、かつ、距離がゼロであることに意味があるときに用いる変換です。変換のときに、類似度が尺度化されます。
間隔尺度
類似度には大小関係があり、かつ、それらの差には意味があるときに用いる変換です。変換のときに、類似度がシフトされ、また、尺度化されます。
順序尺度
類似度の大小関係だけに意味があり、差などは意味がないときに用いる変換です。類似度が順序尺度であるときに用います。
次元の設定
オブジェクト間の類似度を視覚化する際、何次元で表示するかを指定します。2次元または3次元が一般的です。3次元を超えると、視覚化が複雑になります。
メモ: 次元には、1~n - 1(nは対象の数)の数値を選択できますが、デフォルトでは2に設定されています。
距離行列の処理および多次元尺度構成の最適化は、計算の負荷が高い処理です。距離行列が大きい場合は、処理の進行状況を示すウィンドウが表示され、進み具合をチェックしたり、処理をキャンセルしたりできます。多次元尺度構成の最適化には、非凸最適化のアルゴリズムが使用されています。この際、局所最適解を回避するために複数の開始値で最適化が行われます。中規模から大規模なデータセットの場合、最適化の進行状況を表示するウィンドウが表示され、現在までの最適化で最も良い結果を最終的な解とみなして処理をキャンセルしたり、開始値に対する現在の推定値を最適化の開始値としたりできます。