「構造方程式モデル」プラットフォームを起動するには、[分析]>[多変量]>[構造方程式モデル]を選択します。
図8.4 「構造方程式モデル」の起動ウィンドウ
「列の選択」の赤い三角ボタンのメニューのオプションについては、『JMPの使用法』の列フィルタメニューを参照してください。
起動ウィンドウには、2種類のデータ形式に対応したタブがあります。
元データが分析対象
各行が観測(オブザベーション)、列がモデルの変数であるようなデータテーブルが対象となります。なお、すべての変数が欠測値になっている行は、分析から除外されます。
要約データが分析対象
データが相関係数行列または共分散行列として要約されたデータテーブルが対象となります。平均および標準偏差の列も指定できます。平均や標準偏差の列を指定しない場合は、平均はゼロ、標準偏差は入力行列の対角要素の平方根と仮定されます。
モデルの変数
モデルに含める列を指定します。最低1列は指定してください。また、連続尺度の数値データを含む列を指定してください。
[要約データが分析対象]を選択した場合、[モデルの変数]は、相関係数行列または共分散行列で使われている列を指定してください。
グループ
([元データが分析対象]タブでのみ使用可能。)多母集団分析にけるグループ変数の列を指定します。多母集団分析では、グループごとにパラメータが異なるモデルをあてはめることができます。このグループ変数は、カテゴリカル変数である必要があり、基本的に、水準数(グループ数)は少ないものを用いてください。
By
([元データが分析対象]タブでのみ使用可能。)ここで指定した変数の水準ごとに、分析が実行され、レポートが作成されます。複数のBy変数を割り当てた場合、それらのBy変数の水準の組み合わせごとに個別に分析が行われます。
注意: By変数を使用しても、多母集団分析モデルはあてはめられません。多母集団分析を行うには、グループ変数を指定してください。
平均
([要約データが分析対象]タブでのみ使用可能。)相関係数行列または共分散行列における各行を表している変数の標本平均を含んだ列を指定してください。この列を指定しない場合、標本平均はゼロとみなされます。
標準偏差
([要約データが分析対象]タブでのみ使用可能。)相関係数行列または共分散行列における各行を表している変数の標本標準偏差を含んだ列を指定してください。この列を指定しない場合、標本標準偏差は相関係数行列または共分散行列の対角要素の平方根とみなされます。
ラベル
([要約データが分析対象]タブでのみ使用可能。)相関係数行列または共分散行列における各行を表している変数の変数名を含んだ列を指定してください。この列を指定しない場合、「モデルの指定」の変数の名前としては、相関係数行列または共分散行列の列名が使用されます。
潜在変数を標準化する
このオプションを選択すると、潜在変数の分散を1に固定します。この時、因子負荷量はすべて自由パラメータに設定されます。
飽和モデルもあてはめる
このオプションを選択すると、最初にモデルをあてはめるときに、無構造モデルも自動的にあてはめられます。その後、「モデルの比較」レポートで、あてはめたモデルを無構造モデルと比較できます。「無構造モデル」は、指定されたすべての顕在変数に関して、すべての平均パラメータ・分散パラメータ・共分散パラメータを仮定したモデルです。無構造モデルは、データにまったく構造を仮定しない飽和モデルです。
独立モデルもあてはめる
このオプションを選択すると、最初にモデルをあてはめるときに、独立モデルも自動的にあてはめられます。その後、「モデルの比較」レポートで、あてはめたモデルを独立モデルと比較できます。「独立モデル」は、指定されたすべての顕在変数に関して、すべての平均パラメータと分散パラメータだけを仮定したモデルです。独立モデルでは、顕在変数間の共分散はゼロに固定されます。そのため、かなり制約されたモデルです。
標本サイズ
([要約データが分析対象]タブでのみ使用可能。)要約データに対して、元データの観測数(オブザベーション数)を指定します。