ローカルデータフィルタでは、フィルタの対象範囲が現在のプラットフォームに限定されます。たとえば、コンピュータ会社と製薬会社30社の利益に関するデータがあり、会社タイプ別に利益を調べたいとしましょう。それには、まず「一変量の分布」を実行し、ローカルデータフィルタを使って「一変量の分布」プラットフォームの結果を会社タイプ別に絞り込みます。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Companies.jmp」を開きます。
2. [分析]>[一変量の分布]を選択します。
3. 「利益($M)」を選択し、[Y, 列]をクリックします。
4. [OK]をクリックします。
5. 「一変量の分布」の赤い三角ボタンをクリックし、[ローカルデータフィルタ]を選択します。
6. 「タイプ」をクリックし、[追加]をクリックします。
7. 「タイプ」ボックスで「Pharmaceutical」をクリックして製薬会社だけの利益を確認し、次に「Computer」をクリックしてコンピュータ会社だけの利益を確認します。
図9.4 ローカルデータフィルタによる製薬会社の利益の表示
メモ: 変数名の横にある赤い三角ボタンのメニューには、選択を逆転させたり、チェックボックスと度数を表示する形式に変更したりするオプションがあります。詳細については、データフィルタ内にある変数の赤い三角ボタンのメニューオプションを参照してください。
ローカルデータフィルタを使用すると、そのプラットフォームにのみフィルタが適用され、(データフィルタとは異なり)データテーブルには適用されません。たとえば、ローカルデータフィルタで行を除外しても、それらの行はデータテーブルでは除外されません。また、データテーブル内にある行の属性は、ローカルデータフィルタの影響を受けません。
ローカルデータフィルタをスクリプトとして保存し、後ですばやく適用することができます。フィルタを保存するには、「ローカルデータフィルタ」の赤い三角ボタンをクリックし、[スクリプトの保存]のいずれかのオプションを選択します。
ローカルデータフィルタでは、変数の各水準の度数(除外されている行を含む)がデフォルトで表示されます。除外されている行を度数から差し引くには、「ローカルデータフィルタ」の赤い三角ボタンをクリックし、[除外されている行もカウント]の選択を解除します。
Figure 9.5は、除外されている行をカウントしたときと、カウントしないときの違いを示します。カウントした場合、「Computer」という値を含む行は20行あります。また、9つの「big」値があります。カウントしない場合、「Computer」という値を含む行は16行しかありません。
図9.5 除外されている行をカウントした場合(左)とカウントしない場合(右)
メモ: [表示オプション]が[ブロック表示]になっている場合、度数は表示されません(Figure 9.4)。
ローカルデータフィルタをスクリプトでコントロールする方法については、『スクリプトガイド』のデータフィルタのコンテキストを定義するを参照してください。
分析でByグループを使用する場合や、リンクされたサブセットと元のテーブルのレポートを結合している場合、親テーブルのローカルデータフィルタがすべてのByグループレポートやサブセットレポートで共有されます。
ローカルデータフィルタは、ダッシュボードやアプリケーションに組み込むこともできます。
• ダッシュボードを使用した例については、JMPクエリーのダッシュボードとアドインの作成例を参照してください。
• アプリケーションの使用例については、『スクリプトガイド』の複数のローカルデータフィルタを用いる例を参照してください。
時系列データをフィルタリングした後、ローカルデータフィルタのヒストグラムをズームインして、さらに短い期間のデータに絞り込みやすくすることができます。ヒストグラムで1年間のデータが選択されているとしましょう。その年内をより細かく分けたヒストグラムを表示するには、変数の横にある赤い三角ボタンのメニューから[選択範囲のズーム]を選択します。ヒストグラムをリセットするには、「ローカルデータフィルタ」の赤い三角ボタンのメニューから[ズームのリセット]を選択します。