「モデルのあてはめ」プラットフォームの[一般化線形混合モデル](GLMM; Generalized Linear Mixed Model)手法を使うと、応答変数が正規分布に従っておらず、かつ、変量効果が含まれるモデルを分析できます。非正規分布として、Poisson分布と二項分布が用意されています。Poisson分布は、離散確率分布であり、度数データによく使われています。二項分布も、離散確率分布であり、特に2値データによく使われています。[一般化線形混合モデル]手法は、以下のような状況に適しています。
• 乱解法(完備型ブロック計画や不完備型ブロック計画)
• 分割法
• ランダム係数モデル
一般化線形混合モデルは、線形混合モデルと、一般化線形モデルという既存の2つの枠組みを組み合わせたものです。
JMPにおいて、正規線形混合モデルは、「モデルのあてはめ」プラットフォームの[標準最小2乗]または(JMP Proの)[混合モデル]手法を使ってあてはめることができます。正規線形混合モデルをあてはめると、モデルに含まれる変量効果を正確に表現することができます。ただし、このモデルは、応答変数が正規分布に従うことを仮定しています。この時、応答変数が分布する区間は、(-∞, +∞)と仮定されます。変量効果をモデルに含めたいが、応答変数が正規分布に従わない場合、この仮定は問題となります。
JMPにおいて、一般化線形モデルは、「モデルのあてはめ」プラットフォームの[一般化線形モデル]または(JMP Proの)[一般化回帰]手法を使ってあてはめることができます。一般化線形モデルでは、正規分布に従わない応答変数(離散値の度数データや2値データなど)を扱うことができます。ただし、一般化線形モデルでは、変量効果を含めることはできません。
正規線形混合モデルと一般化線形モデルを組み合わせることで、応答変数が正規分布に従わず、かつ、モデルに変量効果があるような場合において、検定や推定についてより正確な推測が行えます。たとえば、一般化線形混合モデルでは、変量効果があるロジスティック回帰をあてはめることができます。