公開日: 09/19/2023

「応答のスクリーニング」レポートの表

「応答のスクリーニング」レポートウィンドウに表示されるデフォルトの表は、起動ウィンドウでの指定によって異なります。「結果の表」は常に表示されます。1つ以上の名義尺度の応答変数と1つ以上のカテゴリカルな説明変数がある場合は、2 x Mの結果の表も表示されます。

結果の表

「応答のスクリーニング」レポートの「結果の表」には、Y変数とX変数の組み合わせごとに、1行の検定結果が含まれています。表の列には、選択したあてはめやX変数・Y変数に固有の指標やモデルのあてはめの統計量が含まれています。

グループ

(グループ変数がある場合にのみ表示されます。)グループ変数の水準。

Y

指定した応答列。

X

指定した因子列。

度数

検定に使用された行の数、または、[度数]変数または[重み]変数の和。

p値

X変数とY変数の関係に対する有意性検定のp値。「二変量の関係」の統計量の詳細については、『基本的な統計分析』の「二変量の関係」プラットフォームの概要を参照してください。

対数価値

-log10(p値)。p値そのものの値ではなく、対数価値に変換すると、解釈がしやすくなります。2を上回る値は、有意水準0.01で有意となります(-log10(0.01) = 2)。

FDR P値

FDR(False Discovery Rate; 偽発見率)を制御するように調整されたp値。Benjamini‐Hochberg法で計算されています。FDR調整p値は、検定の多重性を考慮して、生のp値を調整したものです。[グループ変数]が指定されていない場合は、データテーブルに表示されるすべての検定を考慮して、多重性の調整が行われます。[グループ変数]が指定されている場合は、グループ変数の水準ごとに多重性の調整が行われます。FDRについては、Benjamini and Hochberg(1995)を参照してください。また、「応答のスクリーニング」プラットフォームの統計的詳細を参照してください。

FDR 対数価値

-log10(FDR調整p値)。これは、プロットや有意性の評価に使用する統計量です。p値が小さいと、この値は大きくなります。FDR LogWorthの値が2より大きい(p値が0.01より小さい)セルは、背景色に色が付けられます。

効果の大きさ

Xの水準や値によって応答の値がどの程度異なるかを示します。Effect Size(効果の大きさ、効果量)は、次のように計算される、尺度不変な指標です。

Yが連続尺度の場合、効果の大きさは、モデル平方和を標本サイズで割ったものの平方根を、応答変数の標準偏差の推定値で割った値です。応答変数の標準偏差の推定値は、四分位範囲(IQR)がゼロでなく、IQR > 範囲/20の場合、IQR/1.3489795で求められます。それ以外の場合は、標本標準偏差が使用されます。

YがカテゴリカルでXが連続尺度の場合、効果の大きさは、モデル全体のカイ2乗検定統計量を標本サイズで割ったものの平方根です。

YとXが両方ともカテゴリカルな場合、効果の大きさは、Pearsonのカイ2乗値を標本サイズで割ったものの平方根です。

分数順位

対数価値の順位を、検定の総回数で割ったもの。検定の総回数をmとした場合、対数価値が最大のときに、分数順位は1/mとなります。また、対数価値が最小のときに、分数順位は1となります。分数順位は、「FDR P値 プロット」の横軸に使われます。

R2乗

(Yが連続尺度の場合にのみ表示されます。)R2乗値(重相関係数の2乗、寄与率、決定係数)。モデルで説明される変動の割合を表します。

カッパ

(起動ウィンドウで指定した場合にのみ表示されます。同じ水準数のカテゴリカルなX列とY列がある場合にのみ使用可能。)YとXの一致度を表す指標。

相関

(起動ウィンドウで指定した場合にのみ表示されます。)Pearsonの積率相関係数。カテゴリカル変数の場合、相関は値の順序によって定義された指標に基づいて計算されます。

起動ウィンドウで[ロバスト]オプションを選択した場合は、次の列が「結果の表」に追加されます。[ロバスト]オプションはYが連続変数の場合にのみ適用されるため、Yがカテゴリカルな場合、「ロバスト」列のセルは空になります。

ロバスト p値

X変数とY変数の関係に対する有意性検定のp値。ただし、ロバストなあてはめが使用されます。

ロバスト 対数価値

-log10(p値)。ただし、このp値は、ロバスト推定で求められています。

ロバスト FDR P値

ロバスト推定によるp値を、Benjamini‐Hochberg法によって調整したもの。[グループ変数]が指定されていない場合は、データテーブルに表示されるすべての検定を考慮して、多重性の調整が行われます。[グループ変数]が指定されている場合は、グループ変数の水準ごとに多重性の調整が行われます。

ロバスト FDR 対数価値

-log10(FDR調整p値)。ただし、このFDR調整p値はロバスト推定により求められています。

ロバスト 分数順位

「ロバスト FDR 対数価値」の順位を、検定の総回数で割ったもの。

ロバスト カイ2乗

ロバスト推定に基づく検定のカイ2乗値。

ロバスト Sigma

誤差の標準偏差に対するロバストな推定値。

ロバスト 外れ値の割合

ロバスト平均からの距離が「ロバスト Sigma」の3倍を上回る値の割合。

起動ウィンドウで[Cauchy]オプションを選択した場合は、次の列が「結果の表」に追加されます。[Cauchy]オプションはYが連続変数の場合にのみ適用されるため、Yがカテゴリカルな場合、「Cauchy」列のセルは空になります。

Cauchy p値

X変数とY変数の関係に対する有意性検定のp値。ただし、Cauchyのあてはめが使用されます。

Cauchy 対数価値

-log10(Cauchy p値)。

Cauchy FDR P値

Cauchy推定によるp値を、Benjamini‐Hochberg法によって調整したもの。[グループ変数]が指定されていない場合は、データテーブルに表示されるすべての検定を考慮して、多重性の調整が行われます。[グループ変数]が指定されている場合は、グループ変数の水準ごとに多重性の調整が行われます。

Cauchy FDR 対数価値

-log10(Cauchy FDR P値)。

Cauchy 分数順位

CauchyFDR 対数価値の順位を、検定の総回数で割ったもの。

Cauchy カイ2乗

Cauchyのあてはめの、検定のカイ2乗値。

Cauchy Sigma

Cauchyのあてはめの、誤差の標準偏差の推定値。

Cauchy 外れ値の割合

Cauchyのあてはめの平均からの距離がCauchy Sigmaの3倍を超える値の割合。

2 × M表の結果

「2 x M表」には、2水準のカテゴリカルな応答変数とカテゴリカルな説明変数の関係を調べるために使用できる結果が含まれています。デフォルトでは、応答と説明変数のペアごとに、相対リスク、リスク差、およびオッズ比が表示されます。表を右クリックし、[列]を選択すると、度数、信頼区間、ラベル、またはFDR対数価値を表に追加できます。最初の水準が基準として設定され、他の各水準がそれと比較されます。

メモ: 「2 × M表の結果」レポートは、1つ以上の2水準のカテゴリカルな応答変数と、1つ以上のカテゴリカルな説明変数がある場合にのみ使用できます。

平均の差

「平均の差」表の各行は、カテゴリカルな因子の水準の各ペアにおいて応答を比較したものです。起動ウィンドウの「平均の比較」オプションを使用して、各水準をコントロール群と比較するか、またはすべての水準の組み合わせを比較するかを指定します。表には、X変数と、比較される水準の情報が表示されます。

「平均の差」表の「差」列には、2つの水準における応答平均の差の推定値が含まれています。[ロバスト]オプションが選択されている場合、平均のロバスト推定値が使用されます。「FDR p値」と「FDR 対数価値」の列もあります。これらは、2つの平均の差がゼロかどうかを検定して得られるものです。

メモ: 「平均の差」表は、1つ以上の連続尺度の応答変数と1つ以上のカテゴリカルな説明変数がある場合にのみ使用できます。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).