「一元配置」プラットフォームの[ロバスト]オプションには、外れ値(極値)の影響を受けにくい2つの手法、[ロバストなあてはめ]と[Cauchyのあてはめ]があります。どちらのオプションも、一元配置プロット上にロバストな平均を示す直線を追加します。
• [ロバストなあてはめ]オプションは、HuberのM推定を行います。HuberのM推定は、ロバスト(頑健)な推定方法であり、応答変数における外れ値が推定結果に与える影響が小さいです。HuberのM推定では、Huberの損失関数を最小にするパラメータ推定値を求めます。Huberの損失関数は、誤差が小さい場合は2次曲線として増加し、誤差が大きい場合は線形に増加します。ロバスト推定(頑健推定)の詳細については、Huber(1973)およびHuber and Ronchetti(2009)を参照してください。[ロバストなあてはめ]オプションの例を参照してください。Huberの損失関数については、[ロバストなあてはめ]の統計的詳細を参照してください。
• このオプションでは、誤差がCauchy分布に従うと仮定されます。Cauchy分布は正規分布よりも裾が広く、その結果、外れ値が推定に与える影響が小さくなります。このオプションは、データにある外れ値の割合が大きい場合に有用です。しかし、データが正規分布に近く、外れ値が少ない場合は、このオプションの推定結果は間違ったものになる可能性があります。[Cauchyのあてはめ]オプションは、最尤推定によってパラメータ推定値を算出します。
メモ: 起動ウィンドウでブロック変数を指定した場合、[ロバスト]オプションは使用できません。
[ロバスト]のオプションで作成されるレポートには、2つの表があります。表には、以下の列があります。
σ
通常の最小2乗推定における「誤差の標準偏差」(RMSE)に相当するσ。
カイ2乗
モデルが応答変数の単なる平均より予測モデルとして優れているという仮説の検定統計量。
p値
「傾きが0である」に対するカイ2乗検定のp値。
対数価値
対数価値は、p値を-log10(p値)と変換した値です。
水準
X変数の水準。
ロバスト 平均
HuberまたはCauchyの手法を用いて推定したロバストな平均。
標準誤差
パラメータ推定値の標準誤差を推定した値。