「構造方程式モデル」レポートで[実行]をクリックするたびに、分析者が指定した構造方程式モデルに対する推定結果が表示されます。このレポートにはデフォルトで、「あてはめの要約」レポート、「パラメータ推定値」レポート、「パス図」が表示されます。
メモ: 起動ウィンドウでグループ変数を指定した場合は、グループ変数の水準ごとにモデルのあてはめレポートが表示されます。その場合、構造方程式モデルのあてはめレポートの外枠の上にあるグループのタブを使って、グループごとのレポートを切り替えられます。
あてはめの要約
モデルの適合度に関する情報が記された表。収束の状況と推定法も表示されます。起動ウィンドウでグループ変数を指定した場合、この表の2列目には、現在選択されているグループ変数の水準(タブ)の統計量が表示されます。このレポートには、以下の統計量が一覧表示されます。
標本サイズ
モデルの推定に使用された観測(オブザベーション、行)の個数。
欠測値のある行
1つ以上の欠測値がある観測の個数。欠測値はすべて、完全情報最尤法(Finkbeiner 1979)によって処理されます。
(-2)*対数尤度
推定されたモデルの対数尤度を-2倍した値。この値は、包含関係(入れ子、ネスト)になったモデルを比較するのに使えます。2つのモデルが包含関係になっている場合、それら2つのモデルの「(-2)*対数尤度」の差は、それらのモデルの自由度の差を自由度としたカイ2乗分布に漸近的に従います。『基本的な回帰モデル』の尤度・AICc・BICを参照してください。
反復
モデルの推定に要した反復回数。
パラメータ数
モデルにおける自由パラメータ(自由母数)の個数。
AICc
修正済み赤池情報量規準(Corrected AIC)。この値が小さいほど、モデルが良いことを意味しています。AICcとBICを参照してください。
BIC
ベイズ情報量規準。この値が小さいほど、モデルが良いことを意味しています。AICcとBICを参照してください。
カイ2乗
カイ2乗統計量。
自由度
カイ2乗検定統計量の自由度。
p値(Prob>ChiSq)
カイ2乗統計量に対するp値。
CFI
Bentlerの比較適合度指標(comparative fit index)。モデルの適合度を判断する手がかりとなります。CFIは0から1の間の値をとり、0.90を超えることが望ましいとされています(Browne and Cudeck 1993; Hu and Bentler 1999)。CFIを参照してください。
RMSEA
近似の平均平方誤差平方根(root mean square error of approximation)。モデルのあてはまり具合を判断する手がかりとなります。RMSEAは0から1の間の値をとり、0.10未満が望ましいとされています(Browne and Cudeck 1993; Hu and Bentler 1999)。RMSEAを参照してください。
下側90%
RMSEAに対する90%信頼区間の下限。RMSEAを参照してください。
上側90%
RMSEAに対する90%信頼区間の上限。RMSEAを参照してください。
パラメータ推定値
パラメータの推定値を示した表。「平均/切片」・「因子負荷」・「回帰」・「分散」に分けて、各パラメータの推定値が表示されます。それぞれの推定値について、「標準誤差」、Wald検定の統計量である「Wald Z」、そのWald検定における「p値(Prob>|Z|)」が表示されます。起動ウィンドウでグループ変数を指定した場合、この表には、現在選択されているグループ変数の水準(タブ)のパラメータ推定値が表示されます。
ヒント: 「パラメータ推定値」表には、非表示の列があります。これらの列を表示するには、表で右クリックして、[列]のサブメニューから追加する列を選択します。
パス図
推定されたモデルのパス図が表示されます。「パス図」タブを参照してください。起動ウィンドウでグループ変数を指定した場合、この図には、現在選択されているグループ変数の水準(タブ)の情報が表示されます。