「EWMA管理図」の赤い三角ボタンには、次のようなオプションがあります。
限界の表示
EWMA管理図、X管理図、残差管理図において、上側および下側決定限界の表示/非表示を切り替えます。
中心線の表示
EWMA管理図、X管理図、残差管理図において、中心線の表示/非表示を切り替えます。
シフト線の表示
EWMA管理図において、シフトが生じている時点を示す縦線の表示/非表示を切り替えます。このシフト線は、シフトの開始時点に描画されます。EWMA値が特定の方向に変化して中心線と交わった直後の時点が、シフトの開始とされます。
– EWMAの値が上側決定限界を上回ると、正のシフトが生じていると判定されます。EWMAの値が目標値の線を下回った直後の時点が、シフトの開始時点とされます。
– EWMAの値が下側決定限界を下回ると、負のシフトが生じていると判定されます。EWMAの値が目標値の線を上回った直後の時点が、シフトの開始時点とされます。
図11.5 シフトを示す線の例
この例では、標本7の点が上側決定限界より上にあります。標本7から振り返ると、直近で目標値を下回った点は標本3です。したがって、標本4は、直近で目標値を下回ってから初めて目標値を上回った点であり、正の値へのシフトの始点とされます。
同様に、標本20の点は下側決定限界を下回り、目標値を上回った直近の点は標本16です。したがって、標本17が不適合の指示変数負の値へのシフトの始点とされます。
限界を超えた点のテスト
EWMA管理図およびX管理図の上側限界を上回るか、または下側限界を下回った点を囲む赤い円の表示/非表示を切り替えます。
ARLの表示
平均連長(ARL; Average Run Length)の表示/非表示を切り替えます。「平均連長(ARL)」レポートを参照してください。
設定パネル
現在のパラメータ値の表示/非表示を切り替えます。このレポートでは、EWMA管理図のパラメータ値を変更できます。
パラメータレポート
現在のパラメータ値の表示/非表示を切り替えます。
一定の管理限界
漸近表現を使ってEWMA管理図の限界値が一定にすることを指定します。
注意: サブグループごとの標本サイズが等しくない場合、[一定の管理限界]オプションは機能しません。
要約の保存
EWMA管理図の各サブグループの統計量を含む新しいデータテーブルを作成します。サブグループの番号、サブグループのラベル、サブグループのサイズ、サブグループ平均、シフト開始を示す列、シフト開始間の各区間を示す値、各サブグループの指数加重移動平均、連続する正の連と負の連の数、LCLとUCLの値、およびテストの判定の変数が新しいデータテーブルに保存されます。また、このテーブルには、X管理図の中心、LCL、UCLの値の列と、残差管理図の点、平均、LCL、UCLの値の列も含まれています。予測点の値は要約テーブルの最後の行に保存されます。
デフォルトに戻す
すべてのパラメータをデフォルト値にリセットします。「Lambda」プラットフォーム環境設定でLambdaの値が指定されている場合、Lambda値は環境設定の値にリセットされます。
メモ: Y変数に、目標値を含む「仕様限界」列プロパティがある場合、[デフォルトに戻す]オプションを選択すると、「目標値」が「仕様限界」列プロパティの「目標値」に設定されます。
空のサブグループの後にEWMAを再開
空のサブグループがある場合に、移動平均と限界の計算をどのように処理するかを指定します。サブグループのすべての観測値が欠測値であるか、または除外されているなど、サブグループが空になる場合があります。このオプションが選択されている場合、空のサブグループの後にある、欠測値がない最初のサブグループで計算が再開されます。計算を再開すると、移動平均が全体平均にリセットされます。このオプションが選択されていない場合、EWMAの計算は、欠測値でない最新のサブグループの移動平均を使って続行されます。
欠測値もつなぐ
一部の標本に欠測値または除外された行がある場合も、点をつなぎます。
目標値に全体平均を使用
(Y変数に、目標値の値を含む「仕様限界」列プロパティがある場合にのみ、使用可能です。)EWMA管理図の目標値が、Y変数の全体平均に設定されます。このオプションが選択されていない場合、EWMA管理図の目標値は「仕様限界」列プロパティの「目標値」に設定されます。
管理図の重ね合わせ
EWMA管理図に個々の位置の値を重ねて表示するかどうかを指定します。このオプションが選択されている場合、位置の管理図(X管理図)は表示されません。代わりに、位置管理図の点が、EWMA管理図上に連結されていないグレーのXで表示されます。[重ね合わせた管理図にXの限界線を表示]オプションが選択されていない限り、位置管理図の限界線はEWMA管理図に表示されません。
メモ: [管理図の重ね合わせ]オプションを選択すると、[X管理図の表示]オプションも選択されます。
重ね合わせた管理図にXの限界線を表示
([管理図の重ね合わせ]オプションが選択されている場合のみ使用可能。)[管理図の重ね合わせ]オプションが選択されている場合に、EWMA管理図での位置管理図の限界線の表示/非表示を切り替えます。EWMA管理図に表示される位置管理図の限界線は、破線となります。
メモ: [重ね合わせた管理図にXの限界線を表示]オプションが選択されている場合にのみ、[限界を超えた点のテスト]オプションが[管理図の重ね合わせ]の位置管理図の値に適用されます。
Lambdaスライダ
Lambdaパラメータの値をインタラクティブに変更できるスライダコントロールの表示/非表示を切り替えます。
X管理図の表示
位置管理図の表示/非表示を切り替えます。
メモ: [管理図の重ね合わせ]オプションを選択すると、[X管理図の表示]オプションも選択され、オフにすることはできません。
残差管理図の表示
残差管理図の表示/非表示を切り替えます。
Kシグマ
Kの値を設定します。Kにシグマを掛けた値を平均に加えた値と、平均から引いた値が管理限界となります。デフォルトでは、Kシグマは3に設定されます。
限界値の取得
開いているデータテーブル、または、保存されているデータテーブルに保管されている管理限界を読み込みます。
限界値の保存
管理図のパラメータを以下のいずれかの方法で保存します。
列に
データテーブルの応答変数の列に「管理限界」列プロパティを保存します。列プロパティには、EWMA管理図で使用される目標値が含まれます。
新しいテーブルに
EWMA管理図のLambda、標準偏差、目標値の値を新しいデータテーブルに保存します。
σの保存
Sigmaパラメータの値をデータテーブルのY変数列の「Sigma」列プロパティに保存します。
警告スクリプト
特殊原因のテストで異常が検出されたことを知らせるスクリプトを作成し、実行することができます。結果は、ファイルへの書き込み、ログへの書き込み、メールでの送信が可能です。テストが失敗した理由の説明を含めるオプションがあります。
警告スクリプトおよびそれに続くJSLスクリプトでは、次の変数を使用できます。
qc_col(列の名前)
qc_test(異常が検出されたテスト)
qc_sample(標本番号)
ヒント: 警告スクリプトを指定しておくと、[限界を超えた点のテスト]がオンになると、警告スクリプトが呼び出されます。
警告スクリプトの書き方の詳細は、『スクリプトガイド』の警告スクリプトの実行を参照してください。
以下のオプションの詳細については、『JMPの使用法』の「JMPレポートの[やり直し]メニュー」および「JMPレポートの[スクリプトの保存]メニュー」を参照してください。
やり直し
分析を繰り返したり、やり直したりするオプションを含みます。また、[自動再計算]オプションに対応しているプラットフォームにおいては、[自動再計算]オプションを選択すると、データテーブルに加えた変更が、該当するレポートに即座に反映されるようになります。
プラットフォーム環境設定
現在のプラットフォームの環境設定を表示したり、現在のJMPレポートの設定に合わせて環境設定を変更したりできます。
スクリプトの保存
レポートを再現するためのスクリプトを保存するオプションが、保存先ごとに用意されています。
Byグループのスクリプトを保存
By変数の全水準に対するレポートを再現するスクリプトを保存するオプションが、保存先ごとに用意されています。起動ウィンドウでBy変数を指定した場合のみ使用可能です。