最初の「潜在クラス分析」レポートには、「クラスターの比較」レポートと、指定されたクラスター数ごとの「潜在クラスモデル」レポートが含まれています。
「潜在クラス分析」プラットフォームの「クラスターの比較」レポートには、各種モデルを比較するための適合度統計量が表示されます。適合度統計量は、(-1)*対数尤度(-LogLikelihood)、BIC、AICです。これらの規準統計量が小さいほど、モデルとして良いことを示唆しています。最良のあてはめは、「最適」列にそれが記されます。『基本的な回帰モデル』の尤度・AICc・BICを参照してください。
レポートタイトルは「潜在クラスモデル(クラスター数: <k>個)」となります(kはクラスターの個数)。レポートには、以下のような結果およびアウトラインが含まれます。
• モデルの要約
• パラメータ推定値
• 効果の大きさ
• 混合確率
デフォルトでは、各「潜在クラスモデル」レポートの最上部には、それぞれ該当する個数のクラスターによるモデルの要約が表示されます。モデルの要約には、(-1)*対数尤度、パラメーター数、BIC、AICが含まれています。これらの統計量は、モデルのデータへの適合の良さを判断するのに用いられますす。(-1)*対数尤度、AICc、BICの値が小さいほど、良いモデルであることを示唆しています。『基本的な回帰モデル』の尤度・AICc・BICを参照してください。「パラメータ値の数」は、該当の潜在クラスモデルに含まれているパラメータの個数です。「潜在クラス分析」プラットフォームの統計的詳細を参照してください。
「パラメータ推定値」レポートには、パラメータ推定値を要約した図表がデフォルトで表示されます。それぞれの要約では、モデルのクラスターに各行が対応しています。
「全体」列には、各クラスターに属する事前確率が示されています。(これらはgパラメータです。「潜在クラス分析」プラットフォームの統計的詳細を参照してください。)
表示されている残りの列には、「潜在クラス分析」起動ウィンドウで指定したY列ごとに、パラメータ推定値が表示されています。
• パラメータ推定値は、Y列の各水準を1列として表示されます。表のセルに表示されるパラメータ推定値は、表の行で示されているクラスターに属しているという条件のもとで、Y変数が該当の水準となる確率(rパラメータ)を示しています。
• 分析に用いたデータ列の尺度が「多重応答」である場合には、多重応答の各カテゴリーを1列としてパラメータ推定値が表示されます。表のセルに表示されるパラメータ推定値は、表の行で示されているクラスターに属しているという条件のもとで、該当のカテゴリーが生じない確率(rパラメータ)を示しています。
その下に表示されるグラフは、前述の条件付き確率をシェアチャートで描いたものです。該当のクラスターに属するという条件のもとでの条件付き確率を横につなげた棒グラフになっています。分析に用いたY列が二値または名義尺度である場合、これらのグラフにおける確率の合計は、応答ごとに1になります。分析に用いたY列が「多重応答」である場合、これらのグラフの確率は各カテゴリーが生じない確率であり、それらを合計しても1にはなりません。棒での表示順序は、データ値の表示順序に従っています。棒の上にカーソルを置いて、水準(カテゴリー)を表示することもできます。
ヒント: 「パラメータ推定値」レポートの表やグラフにおいて、1行または複数行を選択すると、対応するクラスターに割り振られたデータ行も選択されます。
「転置したパラメータ推定値」レポートの表は、「パラメータ推定値」レポートの表を転置したものです。この表では、クラスターが表の列になっています。これらのパラメータ推定値は、該当するクラスターに属するという条件のもとでの確率です。
メモ: 「全体」列の推定値(事前確率の推定値)は、転置したテーブルには含まれません。
「効果の大きさ」(effect size)の表には、Y列をクラスター間で比較した統計量が表示されます。この表はデフォルトで表示されます。この表の統計量は、1つのY列と割り振られたクラスターとの分割表をもとに、その分割表の各セルの期待度数からの乖離を求めて算出されています。期待度数は、各クラスターの標本サイズと、Y列の各水準(カテゴリー)の条件付き確率との積で求められます。
この分割表の分析において、Y列ごとにPearsonのカイ2乗(c2)が計算されます。nをオブザベーションの数とすると、「効果の大きさ」は次のように求められます。
効果の大きさ =
「尤度比 対数価値」の値は、-log10(pLR)です。ここで、pLRは分割表に対する尤度比検定のp値です。p値が0.01のときに、対数価値は2となります。
ヒント: 「効果の大きさ」テーブルで行を選択すると、それらの行に対応するデータテーブルの列も選択されます。
多次元尺度構成プロットは、1つのクラスターを1点で描いたものです。このグラフはデフォルトで表示されます。クラスター間の類似性を2次元上に描いたものです。距離が近いクラスターほど、類似性が高いことを示しています。このプロットは、rパラメータから計算された非類似度の行列から作成されます。多次元尺度構成プロットの詳細については、多次元尺度構成を参照してください。
「混合確率」の表には、各クラスターに属する事後確率が表示されています。また、「最尤クラスター」列の値は、事後確率が最も高いクラスターです。
メモ: Y列のいずれかに1つでも欠測値がある行は分析から除外され、また、「混合確率」の表にも表示されません。