ノンパラメトリックな検定は、通常の分散分析で前提とされる正規性が成り立たない場合に役立ちます。[ノンパラメトリック]オプションにはいくつかの手法が用意されており、グループの平均または中央値がすべてのグループで同じ位置にあるかどうかを検定できます。ノンパラメトリックな多重比較では、ペアの比較を繰り返すことによる全体的な誤りの確率も調整されます。ノンパラメトリックな検定では、「順位スコア」と呼ばれる、Y変数の順位から変換された値が使用されます。Hajek(1969)およびSAS Institute Inc.(2017a)を参照してください。
Wilcoxonの順位スコアに基づく検定を実行します。Wilcoxonの順位スコアは、データの順位そのものです。Wilcoxonの検定は、誤差がロジスティック分布に従っている場合に、最も検出力の高い順位検定となります。3群以上(因子の水準が3つ以上)の場合は、Kruskal-Wallis検定が実行されます。このレポートについては、第 “Wilcoxon検定、メディアン検定、Van der Waerden検定、Friedmanの順位検定のレポート”を参照してください。例として、第 “Wilcoxon検定の例”を参照してください。
メディアン順位スコアに基づく検定を実行します。メディアン順位スコアは、順位がメディアン(中央値)の順位の上か下かによって1または0の値を取ります。メディアン検定は、誤差が二重指数分布に従っている場合に、最も検出力の高い順位検定となります。このレポートについては、第 “Wilcoxon検定、メディアン検定、Van der Waerden検定、Friedmanの順位検定のレポート”を参照してください。
Van der Waerdenの順位スコアに基づく検定を実行します。Van der Waerdenの順位スコアは、データの順位を標本サイズ+1で割り、正規分布関数の逆関数を使って正規スコアに変換したものです。Van der Waerdenの検定は、誤差が正規分布に従っている場合に、最も検出力の高い順位検定となります。このレポートについては、第 “Wilcoxon検定、メディアン検定、Van der Waerden検定、Friedmanの順位検定のレポート”を参照してください。
(X変数の水準が2つの場合にのみ使用可能)経験分布関数(EDF)に基づいて、応答の分布がグループ間で同じかどうかを検定します。近似検定と正確検定の両方が行われます。このレポートについては、第 “Kolmogorov-Smirnov二標本検定のレポート”を参照してください。