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「Reactor 20 Custom.jmp」データテーブルは、「カスタム計画」プラットフォームを使って作成された実験回数20の計画のデータです。この計画の目的は、化学工程の反応率に5つの因子が及ぼす効果を調べることです。
1.
[ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Design Experiment」フォルダの「Reactor 20 Custom.jmp」を開きます。
2.
データテーブルの左上隅にあるパネルで、「DOEダイアログ」スクリプトの横にある緑の三角ボタンをクリックします。
3.
「因子」アウトラインを開きます。
図A.13 「Reactor 20 Custom.jmp」で使用した計画の「因子」アウトライン
「温度」(Temperature)の設定範囲は、140~180です。計画の作成時、「温度」には「コード変換」列プロパティが割り当てられました。その「コード変換」列プロパティでは、「最小値」は140、「最大値」は180に設定されています。
5.
「Reactor 20 Custom.jmp」データテーブルで、列パネルの「温度」に表示されているアスタリスクをクリックし、[コード変換]を選択します。
図A.14 「温度」の「コード変換」パネル
6.
[キャンセル]をクリックして列情報ウィンドウを閉じます。
7.
「Reactor 20 Custom.jmp」データテーブルで、「縮小モデル」スクリプトの横にある緑の三角ボタンをクリックします。
8.
[実行]をクリックします。
図A.15 縮小モデルの「効果の要約」レポート
「要因」リストを見ると、主効果の「触媒」、「温度」、「濃度」の右側に「コード変換」列プロパティで使用されている最小値と最大値が括弧で囲んで表示されています。「コード変換」プロパティで指定されているこの最小値と最大値は、交互作用効果でも適用されていますが、括弧で囲んだ表示は省略されています。
ヒント: 「温度」「濃度」のp値の右に「^」という記号が付いています。この記号は、その交互作用に含まれている効果において、その交互作用よりも有意でないものがあることを示しています。 モデルに交互作用が含まれている場合、親子関係の原則(principle of effect heredity)に従うならば、その交互作用に含まれている効果をすべてモデルに含める必要があります。「実験計画を始めよう」章の「効果の親子関係」(53ページ)を参照してください。
9.
「応答 反応率」の赤い三角ボタンのメニューから[推定値]>[予測式の表示]を選択します。
図A.16 縮小モデルの予測式
さらに、「最小値」と「最大値」の中間値は160です。そのため、「温度」の160という値は0に変換されます。
変換によって、効果の比較がしやすくなります。「触媒」に対する係数の推定値は9.942で、「濃度」に対する係数の推定値は-3.077です。つまり、「触媒」「反応率」に及ぼすと予測される影響の大きさが、「濃度」「反応率」に及ぼす影響の3倍以上であるということです。また、これらの係数は、「反応率」の予測値が、「触媒」の増加と共に増加し、「濃度」の増加と共に減少することを示唆しています。
すべての因子が中間値にある場合、変換後の値は0になります。そのときの「反応率」の予測値は、切片、すなわち65.465です。
「触媒」「濃度」が中間値にある場合、「温度」を20度だけ高くすると、「反応率」は5.558 %だけ増加します。
「濃度」が中間値にある、つまり変換後の値が0であるとしましょう。
「触媒」も中間値である場合、「温度」を20度だけ高くすると、「反応率」は5.558 %増加します。
「触媒」が最大値である場合、「温度」を20度だけ高くすると、「反応率」は5.558 + 6.035 = 11.593%増加します。
この交互作用項の係数6.035は、「反応率」の予測モデルにおいて、「触媒」が0.5単位変化したときに温度の傾きがどれだけ増加するかを示しています。