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次のAtkinson and Donev(1992)の例では、配合因子と工程因子の両方を含む実験計画を作成します。この計画は、カテゴリカル因子の水準についてバランス(釣合い)の取れた18回の実験を実施し、 2次式の応答曲面モデルをあてはめます。「計画の評価」プロットと結果を使い、計画の相対的な予測分散を調べてみましょう。
応答は「減衰率」です。これは、実験で作られたアクリロニトリル粉末に対して、特定の波長をもつ電磁波の減衰率を測定したものです。
「硫酸銅(CuSO4)」。範囲は0.2~0.8
「グリオキサール」。範囲は0~0.6
その他に関係している因子は「波長」。これは、測定に用いる電磁波の波長を表す環境因子で、水準は「L1」、「L2」、「L3」。
「波長」は連続変数ですが、 ここで関心があるのは、3つの特定の波長だけです。したがって、「波長」を3水準のカテゴリカル因子として扱います。
2.
「応答名」の欄の「Y」をダブルクリックし、「減衰率」とタイプします。
3.
「目標」の欄の[最大化]をダブルクリックし、[なし]に変更します。
目標を[なし]に設定するのは、同論文において減衰率の目標について特に言及されていないからです。[ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Design Experiment」フォルダにある「Donev Mixture Factors.jmp」を開きます。
図5.52 「応答」アウトラインと「因子」アウトライン
5.
「モデル」アウトラインで[交互作用]>[2次]をクリックします。
非配合因子の主効果のうち、すべての配合因子と交互作用があるものは削除されるという警告が表示されます。つまり、「波長」の主効果は削除されますが、配合因子と「波長」の2次交互作用はすべて追加されます。
6.
[OK]をクリックして、メッセージを閉じます。
図5.53 「モデル」アウトラインと「計画の生成」アウトライン
メモ: 乱数シード値(第 8 步)と開始点の数(第 9 步)を設定すると、以下の数値例と同じ結果が得られます。同じ結果でなくても良い場合は、これらの手順は不要です。
8.
(オプション)「カスタム計画」の赤い三角ボタンのメニューから[乱数シード値の設定]を選択し、「858576648」と入力して[OK]をクリックします。
9.
(オプション)「カスタム計画」の赤い三角ボタンのメニューから[開始点の数]を選択し、「10」と入力して[OK]をクリックします。
10.
[計画の作成]をクリックします。
図5.54 18回の実験を示した「計画」アウトライン
「波長」の各水準に対し、実験が6回ずつあることを確認してください。
1.
「計画の評価」>「予測分散プロファイル」アウトラインを開きます。
図5.55 実験数を18とした計画の予測分散プロット
「波長」のスライダを動かして、配合因子の予測分散プロファイルが「波長」の水準によって変化しないことを確認してください。次に、いずれかの配合因子のスライダを動かしてみましょう。配合成分の合計が1になるように、他の2つの配合因子のスライダの位置が変化します。配合因子の中央の設定の近くで、相対的な予測分散が最も小さくなっています。
2.
3.
「計画領域率プロット」アウトラインを開きます。
図5.56 実験数を18とした計画の計画領域率プロット
計画領域全体において、相対的な予測分散は0.8以下、 最小値は0.32です。実験数を18とした計画の予測分散プロットに示すように、配合因子の中央の設定近くにおいて、この最小値になっています。
4.
「計画の診断統計量」アウトラインを開きます。
図5.57 実験数を18とした計画の「計画の診断統計量」アウトライン