[推定値]メニューから[逆推定]を選択すると、指定した応答変数の値(重回帰モデルの「逆推定」パネル)に対応する説明変数の値が推定されます。なお、説明変数が複数ある場合は、応答変数の値に加えて、他の説明変数の値も指定する必要があります(重回帰モデルの「逆推定」パネル)。レポートには、逆推定の点推定値だけではなく、信頼区間も求められます。信頼区間としては、応答の期待値(平均)に対応した信頼区間、個別の応答値に対応した信頼区間のいずれかを選択できます。例として、第 “逆推定の例”を参照してください。
「逆推定」ウィンドウの左側には、説明変数のリストが表示されます (重回帰モデルの「逆推定」パネル)。連続尺度の説明変数は、最初は平均値となっています。名義尺度や順序尺度の説明変数は、最初の水準となっています。予測したい説明変数は、これらの最初に設定されている数値を削除して、欠測値にしてください。また、逆推定したい変数以外の説明変数に関して、最初と異なる値を指定したい場合には、設定を変更してください。ウィンドウの右側のテキストボックスに、応答変数の値を入力します。例として、第 “効果が複数あるときの逆推定の例”を参照してください。
メモ: 逆推定の信頼区間が、一方が無限大となり片側しか求まらなかったり、両方とも無限大になったりすることがあります。詳細については、付録「統計的詳細」の「逆推定の信頼限界」(511ページ)を参照してください。
この例では、まず、「走行時間」から「酸素摂取量」を予測する回帰モデルをあてはめます。そして、「酸素摂取量」が特定の値となる「走行時間」を逆推定します。この例では、説明変数が「走行時間」の1変数しかないため、「二変量の関係」プラットフォームの散布図でも、見た目で、大まかな逆推定値を求めることができます。
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[ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Fitness.jmp」を開きます。
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[分析]>[二変量の関係]を選びます。
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「酸素摂取量」を選択し、[Y, 目的変数]をクリックします。
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「走行時間」を選択し、[X, 説明変数]をクリックします。
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[OK]をクリックします。
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赤い三角ボタンのメニューから、[直線のあてはめ]を選びます。
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[ツール]>[十字ツール]を選択します。
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散布図上で、まず「酸素摂取量」が50になる個所をクリックし、そして、回帰直線と十字が交わるように左右にカーソルをドラッグします。
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図3.34 「Fitness.jmp」の二変量の関係
「走行時間」の逆推定値を求めるために、また、逆推定値の信頼区間を求めるために、「モデルのあてはめ」を用いましょう。
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「Fitness.jmp」サンプルデータを開いた後、[分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。
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「酸素摂取量」を選択し、[Y]をクリックします。
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3.
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「走行時間」を選択し、[追加]をクリックします。
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[実行]をクリックします。
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「応答 酸素摂取量」のタイトルバーにある赤い三角ボタンをクリックし、[推定値]>[逆推定]を選択します。
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指定し終えた「逆推定」ウィンドウに示すように、「酸素摂取量」の4つの値を入力します。
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[OK]をクリックします。
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図3.35 指定し終えた「逆推定」ウィンドウ
図3.36 「逆推定」レポート
「酸素摂取量」が50となるときの「走行時間」の正確な逆推定値は9.7935です。この値は「Fitness.jmp」の二変量の関係において目算で求めた9.77という値に近いものです。「逆推定」レポートには、「走行時間」と「酸素摂取量」の直線関係を描いている図も表示されます。この図には、逆指定値の信頼区間も描かれています。
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「Fitness.jmp」サンプルデータを開いた後、[分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。
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「酸素摂取量」を選択し、[Y]をクリックします。
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[実行]をクリックします。
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「応答 酸素摂取量」のタイトルバーにある赤い三角ボタンをクリックし、[推定値]>[逆推定]を選択します。
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逆推定の対象である「走行時間」の値を削除します。
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「休息時の脈拍」の値を「60」にします。
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重回帰モデルの「逆推定」パネルのように、「酸素摂取量」の値として「50」を入力します。
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[OK]をクリックします。
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図3.37 重回帰モデルの「逆推定」パネル
逆推定の結果は、重回帰モデルの「逆推定」レポートのようになります。酸素摂取量が50となるときの逆推定の結果が、男性と女性の両方に対して表示されています。また、両側95%の信頼区間も表示されています。
図3.38 重回帰モデルの「逆推定」レポート
図は、「休息時の脈拍」が60であるときの、男性と女性の回帰直線です。2つの信頼区間が、それぞれ赤と青で表されています。信頼区間がかなり重なっているので、「酸素摂取量」の値が50になるときの「走行時間」の値は男性と女性でそれほど違いがないのかもしれません。