図13.8に示すレポートを作成するには、「曲線のあてはめ」の赤い三角ボタンのメニューから、[シグモイド曲線]>[ロジスティック曲線]>[ロジスティック4Pのあてはめ]および[シグモイド曲線]>[ロジスティック曲線]>[Gompertz 4Pのあてはめ]を選択します。
図13.8 「モデルの比較」レポート
「モデルの比較」レポートには、複数のモデルを比較するための適合度統計量が表示されます。AICc、AICc 重み、BIC、SSE、MSE、RMSE、R2乗が求められます。それぞれの定義を以下に紹介します。
AICc
推定した統計モデルの適合度を示す統計量で、2つ以上のモデルを比較したいときに使用できます。AICcは、標本サイズが少ない場面を考慮して、通常のAICを調整しています。AICcが計算できるのは、標本サイズがパラメータ数より2より大きい場合だけです。AICcの値が最も小さいモデルが最良であるため、この例ではロジスティック 4Pが最良のモデルです。『基本的な回帰モデル』の尤度・AICc・BICを参照してください。
AICc 重み
合計が1になるように、AICcの値を正規化したものです。AICc重みは、あてはめた複数のモデルのいずれかが真である場合に特定のモデルが真である確率と解釈できます。そのため、AICc重みが1に最も近いモデルが最も良いモデルを意味します。この例において良いモデルは、明らかにロジスティック4Pです。AICc重みは、複数のモデルのAICcから、次のように算出されます。
AICcの重み = exp[-0.5(AICc-min(AICc))] / sum(exp[-0.5(AICc-min(AICc))])
上の式で、min(AICc)は、あてはめたモデルの中で最も小さいAICc値です。「モデルの比較」表は、AICc重みの降順に並べ替えられます。
BIC
推定した統計モデルの適合度を示す統計量で、2つ以上のモデルを比較したいときに使用できます。BICの値が小さいほど、良いモデルです。『基本的な回帰モデル』の尤度・AICc・BICを参照してください。
SSE
観測値と予測値との差の平方和。
MSE
誤差の平方平均。
RMSE
MSEの平方根で、誤差の標準偏差に対する推定値です。
R2乗
応答の変動のうち、偶然誤差ではなく、モデルによって説明される変動の割合を示します。R2乗値が1に近いほど、あてはまりが良いモデルです。
「モデルの比較」プラットフォームには、残差や実測値のプロットなど、追加のオプションがあります。モデルの比較を参照してください。