加速寿命試験計画を作成するには、パラメータ値の事前分布を指定する必要があります。次のような方法で、その事前分布を求めることができます。
1. 故障メカニズムの知識に基づき、各応力水準に対する故障時間の仮想データを作成します。生じる可能性の高いと考えられる、小規模なデータを作成してください。
2. 「寿命の二変量」プラットフォームによって、加速寿命モデルをあてはめ、モデルパラメータの推定値を求めます。
3. 「加速寿命試験計画」プラットフォームにおいて、この推定値を事前推定値に指定します。
ここでは上記の方法で、釣合い型計画で、故障サイクル数の仮想値を含むデータテーブルを作成します。この仮想データには、計画に用いる3つの応力水準それぞれに対して5個のユニットを含めることにします。このデータテーブルは、サンプルデータライブラリの「Design Experiment」サブフォルダ内にある「Torque Prior.jmp」に保存されています。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータライブラリ]を選択し、「Design Experiment」フォルダの「Torque Prior.jmp」を開きます。
2. [分析]>[信頼性/生存時間分析]>[寿命の二変量]を選択します。
3. [サイクル]を[Y, イベントまでの時間]に指定します。
4. [トルク]を[X]に指定します。
5. 「関係」リストから[対数]を選択します。
6. 「使用条件」として「35」を入力します。
7. 「分布」リストから、[Weibull]を選択します。
図22.2 「寿命の二変量」起動ウィンドウ
8. [OK]をクリックします。
9. 「Weibull結果」アウトラインまでスクロールダウンし、「共分散行列」アウトラインを開きます。
図22.3 「寿命の二変量」モデルの事前データ
「推定値」アウトラインに平均パラメータに対するモデルの推定値、尺度パラメータの推定値が含まれています。「推定値」行には、切片(β0)、回帰係数(β1)、尺度(σ)のパラメータ推定値が表示されます。パラメータ推定値の分散共分散行列(の推定値)は、「共分散行列」アウトラインにあります。加速寿命試験計画を作成するときに、これらパラメータ推定値と分散共分散行列を事前分布として使用します。