「予測分散プロファイル」アウトラインには、各計画の相対的な予測分散のプロファイルが表示されます。各プロットは、他の因子の値を固定したときの、各因子における予測値の相対的な分散を表示します。
「予測分散プロファイル」の横にある赤い三角ボタンをクリックし、[予測分散の最大化]を選択すると、基準の計画の計画領域において予測分散が最大値となる因子設定を求めることができます。予測分散の最大化を参照してください。
図16.23 3つの計画の予測分散プロファイル
図16.23は、異なる実験回数の計画で作成された3つの計画の予測分散プロファイルです。X1*X3およびX2*X3の2つの2次交互作用が「モデル」に追加されています。プロットの連続尺度の各因子の初期値は、計画の設定の中間点です。左側の分散の値を見ると、実験回数が増加するにつれて、中間点での予測分散は小さくなることがわかります。
(相対的ではなく)実際の予測分散は、相対的な予測分散に誤差分散を掛け合わせて算出されます。実験を行うまでは、誤差分散がわからないので、予測分散も不明です。しかし、実際の予測分散を誤差分散で割った比は、誤差分散には依存しません。この比は、相対的な予測分散と呼ばれ、計画と因子設定にのみ依存します。そのため、データを取得する前に計算することができます。相対的な予測分散を参照してください。
実験を行い、最小2乗法でモデルをあてはめれば、あてはめたモデルの平均2乗誤差(MSE; Mean Square Error)によって誤差分散が推定されます。実際のデータから計算される予測分散は、相対的な予測分散に誤差分散を掛けたものです。
予測分散は、計画領域全体で小さいのが理想です。予測分散は、一般に標本サイズが大きくなるにつれて小さくなります。計画を比較する場合は、予測分散が平均的に小さい方が優れた計画といえます。
相対的な予測分散の最大値によっても、計画を評価したり、比較したりできます。「予測分散プロファイル」の横にある赤い三角ボタンをクリックし、[予測分散の最大化]を選択してください。そうすると、JMPで使用される満足度関数によって、相対的な予測分散が最大化されます。このときに「予測分散プロファイル」に表示される分散値は、相対的な予測分散が最悪になる(つまり、計画領域のなかで予測分散が最も大きくなる)ときのものです。
図16.24 3つの計画における最大の分散を示す予測分散プロファイル
図16.24は、異なる実験回数の計画で作成された3つの計画について[予測分散の最大化]を選択した後の予測分散プロファイルです。予想のとおり、相対的な予測分散の最大値は、実験回数が増加するにつれて小さくなっています。また、因子のどの値で予測分散が最大となっているのかも見て取れます。ただし、予測分散が最大となる因子設定は、複数、存在する場合があります。