[指示変数に対する推定値]オプションを選択すると、指示変数に基づいて計算されたパラメータ推定値が表示されます。このパラメータ推定値は、名義尺度の説明変数に対して、SASシステムのGLMプロシジャで採用されているコード変換を採用して計算されたものです。なお、順序尺度の列に対しては、JMPの通常のコード変換によって計算されています。SASのGLMプロシジャとJMPの相違点に関しては、因子(説明変数)の取り扱い方を参照してください。
JMPで採用されている標準のコード変換では、名義尺度の説明変数における各パラメータ推定値は、その水準の応答平均と、全水準 の応答平均との差を表します。JMPで採用されている標準のコード変換を確認するには、「標準最小2乗」の赤い三角ボタンのメニューから[列の保存]>[コーディングのテーブルを保存]を選択してください。
一方、指示変数に基づくコード変換では、名義変数の説明変数における各パラメータ推定値は、その水準の応答平均と、最後の水準の応答平均との差を表します。最後の水準とは、データを並び替えたときに最後になっている水準です。その最後の水準に対する指示変数は、モデルに含まれません。
注意: 「指示変数に対する推定値」レポートの標準誤差、t値などの値は、「パラメータ推定値」レポートとは異なります。これは、推定値の計算において、異なるコード変換が使われているためです。
図3.24のレポートを再現するには、「全水準の推定値」レポートの例の手順を行ってください。ただし、最後の操作において、[全水準の推定値]ではなく[指示変数に対する推定値]を選択してください。
図3.24 指示変数に対する推定値
「モデルのあてはめ」にて名義尺度に対して採用されている標準のコード変換は、[モデルのあてはめ]の「一般化回帰」手法を除く、すべてのプラットフォームでも使われています。一般化回帰手法の名義尺度変数に関するコード変換の詳細は、「一般化回帰」手法の起動を参照してください。
「指示変数に対する推定値」レポートの結果も、JMPとGLMプロシジャでは異なるコード変換を採用しているため、両者で異なる場合があります。多くのモデルにおいて、両者の結果はまったく同じになります。しかし、切片がないモデル、欠測セルのあるモデル、順序尺度の効果を含んだモデル、配合モデルなどでは、両者で結果が異なります。