散布図と同様、重ね合わせプロットは、変数間の関係を示します。ただし、時間変数によって時間経過に伴う傾向を示したい場合には、散布図よりも有効です。
図4.31 重ね合わせプロットの例
メモ: 時間経過に伴うデータをプロットに示すには、バブルプロット、管理図、変動性図も使用できます。グラフビルダーとバブルプロットの詳細については、『グラフ機能』のグラフビルダー章を参照してください。管理図と変動性図の詳細については、『品質と工程』の「管理図ビルダー」章と 計量値用ゲージチャート章を参照してください。
この例では、3か月間にわたる株価を記録した「Stock Prices.jmp」データテーブルを使用します。
投資家は、次の点を調査する必要があります。
• 過去3か月間に株の終値に変動があるか
これを明らかにするには、時間に対する終値の重ね合わせプロットを描きます。
• 株の高値と安値の間に関係があるか
これを明らかにするには、時間に対する、高値および安値の重ね合わせプロットを描きます。
まず、最初の疑問に対する重ね合わせプロットを作成し、次に、2つ目の疑問に対する重ね合わせプロットを作成します。
1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Stock Prices.jmp」を開きます。
2. [グラフ]>[グラフビルダー]を選択します。
3. 「終値」を選択し、[Y]をクリックします。
4. 「日付」を選択し、[X]をクリックします。
図4.32 点と平滑線のプロット
5. Ctrlキーを押したままグラフの上の平滑線アイコンをクリックし、平滑線を削除します。
図4.33 時間経過に伴う終値の重ね合わせプロット
この重ね合わせプロットは、過去数か月間において、株の終値が下がっていることを示しています。この傾向をより詳しく検討するために、点をつなぎます。
1. Shiftキーを押したままグラフの上の折れ線アイコンをクリックします。
図4.34 点をつないだグラフ
過去3か月において、株価は上下動しているものの、全体的には下降傾向にあることがわかります。
重ね合わせプロットを使用して、複数のY変数をプロットできます。たとえば、同じプロットに高値と安値の両方を表示したいとします。
1. 時間に対する株価の重ね合わせプロットの作成の手順に従い、今回は「高値」と「安値」の両方を[Y]の役割に割り当てます。
2. 重ね合わせプロットの解釈と操作に示すように、点をつないでグリッド線を追加します。
図4.35 2つのY変数
プロットの下部にある凡例は、グラフの「高値」と「安値」に使用されている色とマーカーを示しています。この重ね合わせプロットから、「高値」と「安値」の変動が酷似していることがわかります。
2つの重ね合わせプロットから、この例の最初に挙げた2つの疑問に対する回答が得られます。
• 最初のプロットから、株価は一定ではなく、下降傾向にあることがわかります。
• 2番目のプロットから、高値と安値にはさほど大きな差がないことがわかります。つまり、1日の間では株価にさほど大きな変動はありません。