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公開日: 09/19/2023

重ね合わせプロットによる多変量の考察

散布図と同様、重ね合わせプロットは、変数間の関係を示します。ただし、時間変数によって時間経過に伴う傾向を示したい場合には、散布図よりも有効です。

図4.31 重ね合わせプロットの例 

重ね合わせプロットの例

メモ: 時間経過に伴うデータをプロットに示すには、バブルプロット、管理図、変動性図も使用できます。グラフビルダーとバブルプロットの詳細については、『グラフ機能』のグラフビルダー章を参照してください。管理図と変動性図の詳細については、『品質と工程』の「管理図ビルダー」章と 計量値用ゲージチャート章を参照してください。

シナリオ

この例では、3か月間にわたる株価を記録した「Stock Prices.jmp」データテーブルを使用します。

投資家は、次の点を調査する必要があります。

過去3か月間に株の終値に変動があるか

これを明らかにするには、時間に対する終値の重ね合わせプロットを描きます。

株の高値と安値の間に関係があるか

これを明らかにするには、時間に対する、高値および安値の重ね合わせプロットを描きます。

まず、最初の疑問に対する重ね合わせプロットを作成し、次に、2つ目の疑問に対する重ね合わせプロットを作成します。

時間に対する株価の重ね合わせプロットの作成

1. [ヘルプ]>[サンプルデータフォルダ]を選択し、「Stock Prices.jmp」を開きます。

2. [グラフ]>[グラフビルダー]を選択します。

3. 「終値」を選択し、[Y]をクリックします。

4. 「日付」を選択し、[X]をクリックします。

図4.32 点と平滑線のプロット 

点と平滑線のプロット

5. Ctrlキーを押したままグラフの上の平滑線アイコンここに画像を表示をクリックし、平滑線を削除します。

図4.33 時間経過に伴う終値の重ね合わせプロット 

時間経過に伴う終値の重ね合わせプロット

重ね合わせプロットの解釈と操作

この重ね合わせプロットは、過去数か月間において、株の終値が下がっていることを示しています。この傾向をより詳しく検討するために、点をつなぎます。

1. Shiftキーを押したままグラフの上の折れ線アイコンここに画像を表示をクリックします。

図4.34 点をつないだグラフ 

点をつないだグラフ

過去3か月において、株価は上下動しているものの、全体的には下降傾向にあることがわかります。

高値と安値の重ね合わせプロットの作成

重ね合わせプロットを使用して、複数のY変数をプロットできます。たとえば、同じプロットに高値と安値の両方を表示したいとします。

1. 時間に対する株価の重ね合わせプロットの作成の手順に従い、今回は「高値」「安値」の両方を[Y]の役割に割り当てます。

2. 重ね合わせプロットの解釈と操作に示すように、点をつないでグリッド線を追加します。

図4.35 2つのY変数 

2つのY変数

プロットの下部にある凡例は、グラフの「高値」「安値」に使用されている色とマーカーを示しています。この重ね合わせプロットから、「高値」「安値」の変動が酷似していることがわかります。

疑問に対する回答

2つの重ね合わせプロットから、この例の最初に挙げた2つの疑問に対する回答が得られます。

最初のプロットから、株価は一定ではなく、下降傾向にあることがわかります。

2番目のプロットから、高値と安値にはさほど大きな差がないことがわかります。つまり、1日の間では株価にさほど大きな変動はありません。

より詳細な情報が必要な場合や、質問があるときは、JMPユーザーコミュニティで答えを見つけましょう (community.jmp.com).