[一般化線形モデル]手法を起動するには、[分析]>[モデルのあてはめ]を選択します。1つ以上の列を[Y]に指定し、「手法」メニューから[一般化線形モデル]を選択します。
図13.4 [一般化線形モデル]手法を選択した「モデルのあてはめ」起動ウィンドウ
すべての手法に共通の「モデルのあてはめ」ウィンドウの要素の詳細については、モデルの指定を参照してください。「列の選択」の赤い三角ボタンのメニューのオプションについては、『JMPの使用法』の列フィルタメニューを参照してください。ここでは、[一般化線形モデル]手法に固有の情報を紹介します。
なお、モデル効果に欠測値が含まれている場合、それらの欠測値を1つのカテゴリとして処理することもできます。それには、「モデルの指定」の赤い三角ボタンのメニューから、[欠測値をカテゴリとして扱う]を選択します。
ヒント: [切片なし]オプションは、「モデルのあてはめ」プラットフォームの[一般化線形モデル]手法では使用できません。
「手法」として[一般化線形モデル]を選択すると、起動ウィンドウに追加のオプションが表示されます。[一般化線形モデル]手法では、次のような追加のオプションを使用できます。
分布
応答変数の確率分布を指定します。
リンク関数
線形モデルを応答変数に関連付けるリンク関数を指定します。
過分散に基づく検定と信頼区間
モデルに過分散パラメータを含めるよう指定します。過分散(over-
dispersion)とは、応答変数の分散が、確率分布から理論的に導出される分散よりも大きい状況を指します。過分散は、Poisson分布と二項分布において生じる可能性があります。McCullagh and Nelder(1989)では、実際の場面において過分散が生じるのは珍しいことではないと述べられています。
メモ: このオプションをオンにすると、「モデル全体の検定」レポートの「適合度統計量」の表に「過分散」という列が追加されます。
Firthバイアス調整推定値
モデルの推定においてFirthバイアス調整法を用います。Firthバイアス調整法は、最尤推定を修正した方法であり、バイアス調整を行わない最尤推定よりも推定と検定において優れます。また、Firthバイアス調整法を用いることにより、ロジスティック回帰などで生じる分離(separation)の問題を回避できます。ロジスティック回帰における分離の問題については、Firth(1993)およびHeinze and Schemper(2002)を参照してください。
オフセット
(「役割変数の選択」パネルのボタン。)オフセット変数を指定します。オフセット変数は、モデルのなかで、パラメータの値を1.0に固定した説明変数として扱われます。このようなオフセット変数は、一般に、Poisson分布で対数をリンク関数とした場合、単位を揃えるために使用します。
応答変数に対する確率分布として二項分布を用いる場合は、次のいずれかの方法で応答変数を指定する必要があります。
• データがX変数に従って要約されていない場合は、2値データを含む列を1つ、応答変数として指定します。この応答変数の列は名義尺度でなければなりません。
• データがX変数と応答値に従って要約されていて、かつ、応答変数の値が2値である場合は、その応答変数の1列を指定し、かつ[度数]に度数の列を指定します。このとき、応答変数の列は名義尺度で、また度数列はX変数と応答に従って要約された度数を含んでいなければいけません。
• データが成功回数と試行回数の2列に要約されている場合には、まず成功回数を含む列、次に試行回数を含む列の順に、それら2つの列を指定します。これら2つの列は、連続尺度でなければいけません。なお、成功回数でなく、失敗回数を指定するのでもかまいません。