「一変量の分布」プラットフォームの[同等性の検定]オプションを使うと、母集団の平均が仮説値と等しいかどうかを評価することができます。差の閾値を設定し、その閾値より小さければ差がないとみなします。JMPの[同等性の検定]オプションは、Two One-Sided Tests(TOST; 2つの片側検定)アプローチを採用しています。2つの片側t検定は、「真の平均と仮説値の差は、閾値を超える」という帰無仮説の検定です。両方の帰無仮説が棄却されれば、真の差は閾値を超えない、つまり、平均は仮説値に実質的に等しいとみなせるという結論が導かれます。
[同等性の検定]オプションを選択すると、仮説平均、差の閾値(実質的に0とみなす差)、信頼水準を指定する画面が表示されます。信頼水準は(1 - α)です。ここで、αは2つの片側検定の有意水準です。
Figure 3.11の「同等性の検定」レポートは、「Diabetes.jmp」サンプルデータの「BMI」変数に対して実行したものです。仮説平均は26.5、差の閾値(実質的に0とみなす差)は0.5と指定されています。
図3.11 「同等性の検定」レポート
レポートには次の情報が表示されます。
• 同等とみなす範囲のプロット。指定した目標値と範囲が縦線で示され、範囲の両端に「下側」・「上側」というラベルが付きます。
• 平均の信頼区間。この信頼区間は、信頼水準が1 - 2×αである両側信頼区間です。
• 平均、同等とみなす範囲の下限と上限、平均の両側信頼区間(この両側信頼区間の信頼水準は1 - 2×α)を示す表。
• 2つの片側検定の結果を示す表。
• 結果の要約と、平均が目標値と等しいとみなせるかどうかを示す記述。